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熊本市東区八反田1丁目14-8

発行者:福島 宏

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熊本県で生産される養殖うなぎは平成18年度約500屯、19年度630屯前後と推定される。推定としたのは県水産振興課が把握している数字と実数が異なるからである。うなぎ養殖業者は子供うなぎであるシラスの採捕の許可を県から得ると共に、シラ スの採捕量、活鰻の出荷量など届出の義務がある。だが業者が正直に実数を届ける事はなく直接販売店に売る事もある。出荷量が一番多いのは緑川養殖センターで、 施設が完成した17年度に既に100屯前後を出荷したという。シラスから出荷出来る まで最低八カ月はかかるというにである。

19年度の630屯の内、緑川養殖センター が300屯台、九州生鮮200屯台、残りは県南、県北の四業者の生産量である。九州生 鮮については実際の出荷量は130屯〜150屯の様だ。残りは外国産を九州生鮮の名前 で出していたらしいが、昨年偽装問題が発覚した後は自社養殖以外の出荷はないら しい。

県下の養鰻業界は、かくも淋しい数字しかないのである。鹿児島県の8千屯 、宮崎県の6千屯という年間出荷量の10分の1以下に留まっている。うなぎ養殖は、当時の農林省が米の減反政策を推めた頃に始っている。従って、当初は補助金が出 るとあって多くの農家が参入したが水田にビニールシートを張っての養殖でうなぎ が育つ筈もなく、金魚、鯉、どじょうなどに転換しても同様、成功した農家はない に等しかった。

その後動物の飼料を扱っていた商社(伊藤忠など)が養えび、養魚に加え、うなぎ用の餌の開発に走り、販売先確保の為うなぎ養殖を拡げていった。九 州では気候温暖でシラスが多く採れた鹿児島、宮崎など太平洋側でうなぎ養殖が根 付いた。少し遅れて熊本でもある男がうなぎの養殖に目を着けた。当時の河内村で 鮮魚卸商を営んでいた川越寅市の六男寅美である。家業を手伝っていた寅美は父が浜松の同業者から「浜名湖のうなぎ養殖が飽和状態だ、九州でうなぎ養殖をしては どうか」と勧められた事からうなぎ養殖の将来性に目をつけうなぎ養殖のスタートを切った(村上寅美著「私の生きざま」より)らしい。


-熊本県水産振興課次長-
村上県議会議長と飲食

-監督官庁の出鱈目振り-

以下は堤が課長から次長に昇進する為"犠牲になった"とされる前次長を含む移動について語った職員の半紙である。「前次長は温和なタイプで規定を守って仕事を進めた。その為、県議らの無理強いを受け入れきれなかった所がある。県議らの意を受けて動いた堤を引き立てるのは当然の結果だ。

吉田次長は、次長職兼任で水産研 究センター(大矢野町)に飛ばされた。明らかに左遷人事です。同所長は元々課長級 が行く所ですからね」堤については筆者の取材の際「あんたは村上県議とめしを食 った事があるだろう」との問いで「ええありますよ、年末など村上先生から『ご苦労さん』の意味で2、3回誘われて飲食を共にしました。勿論私一人ではなく、他の 課長達と一緒でしたがね」と平然と云う。

筆者が得ている情報では村上県議の身内 が経営している白山町のうなぎ屋、その近くの料亭等で多くの県職員(農水、管理 関係)が村上県議から接待を受けたと云われる。堤についても「2、3回ではありません」と断言する職員も居るが、この際は堤本人の口から出た「2、3回の食事」に ついて疑義を呈してみよう。

県との利害関係を持つ県議の接待に、担当課長らが応 じる事自体おかしいのではないか。村上県議は吝嗇家として名高い。その県議が飲 食に接待するのは、下心があるか、何らかの無理を聞いてもらったお礼勘繰るのは 筆者の僻みか。公務員たる者例え相手が県議であろうと接待受けるべきではないと思うが如何?。

尤も県職員と県議が飲食を共にする例は珍しい事ではなく、一部職 員は県議と親交があるのを自慢している。人事異動にしても、ある県庁OBは「幹部 人事の何%かは県議先生の意向が反映されていると見ても間違いはないでしょう」 と語る。農水関係の職員が有力県議(代議士も)に擦り寄る原因の一つに同部の職員 が技術職で占められている点も見逃せない。関係者の一人は「われわれ農林水産部 の殆どが技術畑を歩いています。従って一般職の様に努力次第で他の部署にも行け るといった事がありません。年功序列式に昇進するしか途はありません。限られた 中で出世しようと思うなら議員につくのが一番でしょうね」と諦め顔で話してくれた。

地味な存在だが、許認可権や各種指導権は多くの以前から農水議員と癒着の話は囁かれていたが、内実は噂以上のものがある様だ。生産組合の不適切認可や、補 助金判定に疑念が生じた一連の事案の裏に「県議と県職員の癒着があった」とした ら残念に思うのは私だけではあるまい。

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