熊本県民新聞 WEB版
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■ 発 行 所 ■
〒861-8034
熊本市東区八反田1丁目14-8

発行者:福島 宏

電話:096-234-8890
FAX:096-234-9883


 
 
市道の埋め立てによる嵩上げを画策する比企院長に対し、地区住民は何故強硬に反対するのか概要を述べる。問題の市道のまほろば、比企病院駐車場の所は幅2メートル10センチで、少し入った所は1メートル30センチとなっている。その先は1メートル20センチが長く続く。まほろば側の敷地の高さは1メートル30センチ、駐車場側は1メートル20センチある。仮に車1台が自由に往来するとしたら5メートルは敷地と同一の高さにする必要がある。表通りから15メートルの地点には排水口があるが、これを塞がない様に埋立てた場合、10メートルで1メートル20センチの高さまで勾配を付ける必要がある。相当な急勾配となり、老人や体の不自由な人には負担となる筈。勾配を緩くしようとすれば排水口を塞ぐ事になる。表通りから流入する水の大方をこの排水口が受持っているので、その分の雨水は奥に流れ、浸水被害を高める可能性が大である。地図を黒く塗り潰した所が大雨の時被害が出る地区であるが、北側を通る県道熊本〜戸島線からも雨水が流入する地形になっており、現在の所この狭い市道の下を通る直径80センチの下水道が唯一の頼りなのである。床下浸水が、ほぼ毎年発生している地区に住む人達の気持ちを忖度するなら比企院長は即刻埋立て案を白紙に戻すべきであろう。




浜原会長の妄挙
本年6月6日、尾ノ上校区自治協議会浜原寿好会長らが前記市道の埋立てに賛同する同意書を熊本市に提出した。同書に添えられた署名人は48名。市道路総務課は同意書の有効性を確認する為署名人の居住地区をチェックした。しかし署名人の殆どが当該地区の住民ではなく、他町の町内会長や役員、比企病院の職員も複数居た為受理せず6月12日に浜原会長に返却している。担当者は「受理していないので詳細は話せないが、浸水地区の人は1人も居なかった。相当離れた地区の住民が多かったので受理しなかった」と語っている。この同意書について、他地区の自治協議会会長は「会長が地区住民の声を代表して市に陳情なり要請するのは当然の行為だがこの埋立て同意書については疑問な点が多い。一企業や、一部住民の為に動くのは“職権乱用”と云われても仕方がないだろう」と批判的であった。又、「尾ノ上地域コミュニティセンター広報部会、発行責任者坂哉裕二が発行している「けやき新聞」(平成17年9月10日)は、地域活動を伝える記事の中で問題の市道を「尾ノ上で1番危険な市道」と題して採り上げている。「見通しが悪く、夜間照明も無い校区1番の危険な箇所、尾ノ上3丁目比企病院横、120センチの市道。子ども達によく利用されていることから防犯協会をはじめオバパト隊(隊長は下川市議の母)などパトロールを強化。」「事件、事故が起きてからでは遅い」「オバパト隊長も『パトロールしたが異様な雰囲気を感じた』と語った」「早急に市道の嵩上げ工事が必要」「コミセンで7月11日熊本市、小中学校長、東部まちづくり、自治協議会、オバパト隊、校区住民代表など関係者による対策会議が開かれた」「市当局から嵩上げ工事の認可はおりているが、一部住民の反対意見もあり工事は進んでいない」「水害への対策は完了、住民の不安は解消されている」「反対住民との意見調整で解決を模索し工事が着工できる様にする」以上要旨のみ纏めたが、住民無視のゴマスリ記事には唖然とさせられた。


周辺地区の変遷を追う

本紙左上の写真は浸水防止用に作られた排水口。大雨の時にはゴミや木の葉などが詰まる為、数時間おきに出て排水口が詰らない様にするという。下の写真は最近新築中の家。見ての通り道より50センチ程嵩上げして建築している。地図1は、昭和54年のゼンリン地図(以下同じ)である。この頃は、畑地の中を畦道が通っており、住民は市道大通りに出る近道として利用していた。地図2は昭和60年の物。石坂商店から住宅地まで細い市道が通っている。3、4年前の大雨の時、一帯が床上まで浸水被害に遭った為住民が市に陳情、これに応えた市が直径80センチの配水管を地下に埋設して排水路を作った。市は「せっかく排水路を作ったので上を道路に」とコンクリートを打って現在の形が出来たのである。地図3は、住民有志が比企病院が計画している市道の埋立ては許可しないでほしいと要望書を提出した平成16年の地図である。斜線、矢印の間を埋立てる希望の様である。黒塗りは大雨の際浸水する地域。九電アパートは昭和54年には既に建っていたが水害を予想していたのか周囲より高くなっている。ブックオフは今はないが、同所、まほろば、比企病院は高台。市は住民の同意がない限り埋立て認可はないと云う。