熊本県民新聞 WEB版
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■ 発 行 所 ■
〒861-8034
熊本市東区八反田1丁目14-8

発行者:福島 宏

電話:096-234-8890
FAX:096-234-9883


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社会福祉法人星峰会運営
熊本県高齢者向け優良賃貸住宅
5年間の補助金110万円余
 熊本市東区新南部の社会福祉法人星峰会 (東三起夫理事長) が運営している 「ふれあいの里」 に入居している東理事長の身内が、家賃に対する公的補助金を不正に利用している疑惑が判明した。社会福祉法人星峰会が熊本市から認可を受けたのは平成15年3月5日である。この認可については、落水清弘市議が強力にバックアップして実現した事は前にも書いた。その後の東理事長と落水市議の蜜月時代と、社会福祉法人桜ヶ丘福祉会を巡る一連の騒動も本紙が詳報したので大方は御存知であろう。

 ふれあいの里は星峰会の認可とほぼ同時に新築開業した9階建の共同住宅である。場所は水前寺1丁目の好立地にあり、1階は第2種社会福祉事業である小規模多機能型居宅介護事業所 「水前寺きらら」 が入居、2階以上が住宅となっている。同所は熊本県高齢者向け優良賃貸住宅の指定を受けている為各種の条件が付されている。年齢は 「60歳以上の高齢者又は要介護者・要支援者の同居者」 となっている。ふれあいの里の室は、2K、1LDK、2DKからなっており、2Kの賃料は65,000円、1LDKと2DKは70,000円 (月額) である。この家賃に対して2Kで18,000円、1LDKと2DKは19,000円の補助金が支給されている。補助金は国と県が半額ずつ負担する。ここから本題に入る。

 星峰会東三起夫理事長の母Yさんは平成21年4月頃からふれあいの里301号室に入居したとされる。同室は2DKで公金の補助金は月額19,000円、今月 (2月) まで約58カ月を掛けると総額110万円となる。勿論Yさんが手続き以降今日まで居住していたのであれば何ら問題はない。しかし、Yさんの実際の住所は東区新南部に在る 「望星タウンビル1階」 である。ではふれあいの里301号室に居住しているのは誰れか。本紙が確認作業を行った所、東理事長の二女Mさんであった。



東理事長一家で策謀か
母と妹が入れ替わって居住
 入居のからくりは以下の通りである。Yさんはふれあいの里に入居手続き上必要な住民票を水前寺1丁目の同所に移した。他方、Mさんは新南部3丁目の望星タウンビルに住民票を移した。こうしてYさんは望星タウンビルで実生活を送り、Mさんはふれあいの里を生活の拠点としている。即ちMさんは居住資格のないふれあいの里に入居しているのである。Yさんは望星タウンビルに居住、介護保険サービスもここで受けているとの証言もある。このからくりを東理事長が知らない筈はなく、娘らとともに一家で不正行為を行っていると云っても過言ではない。落水市議に1億2、500万円を渡して不法に保育園を買い取ろうとした人物と、その一族が何故この様な"みみっちい"不正を行ったのか。ここからは筆者の推察の域を出ないが、一応考察してみる。

 東理事長は中央区大江に豪邸を所有、ここに妻や娘らと生活している。かつて母Yさんも同居していたらしいが、世に謂う所の嫁姑の不仲に加え高齢となった。その為介護施設に隣接する望星タウンに転居した。一方のMさんはこれらのマンションを管理する竃]星の取締役を務めていて、水前寺ふれあいの里とは別棟の建物で 「酒処ちゃお」 と 「FoodBaMs」 を経営している。これらの終業時間は午前2時頃であり、住いは近いに越したことはない。しかしふれあいの里に入るには若年の為資格がない。で、先述の様に母が入居手続きをしてMさんが住人となったと解釈する。優良住宅に対する公的補助金は運営者に支給されるので、Mさんが公金を詐取した事にはならないが、実情を知って高齢者向け住宅に居住している以上道義的責任は免れないであろう。聞く所によると、同住宅に於けるこの実態を県の担当部署の某は把握していて 「見て見ぬ振り」 をしていると云われ、県の管理能力、管理体制が問われている。又、社会福祉法人星峰会東三起夫理事長についても先述不正事実を隠蔽する為母のYさんが入居している室の光熱費を竃]星が支払っていると云われる (未確認)。竃]星の役員は東理事長の長女、二女と介護施設わらべ苑施設長を務めるU氏の3人で、代表取締役は長女が就任している。監査役は東氏の妻が就任しているが、周囲は 「実質経営者は東氏だが、福祉法人理事長は兼職が認められない為長女を代表取締役に据えている」 と評している。



 熊本日日新聞 (熊日) が先の大戦体験を読者から募って社会面に連載している 「伝えたい 私の戦争記録」 を興味深く読ませて頂いている。人それぞれの思いが伝わってくるが、去る2月19日から4回に亘って掲載された吉岡義一氏の 「大陸通打作戦」 の内容に大きな疑問を覚えた。2月19日付第1回の中で吉岡氏が所属した 「旧陸軍第58師団の歩兵第106大隊」 が 「ある村で部隊は中国人の農民に道を尋ねた。初老のその男は道を教えると、おびえた表情で駆けだした。瞬間、古兵の一人が帯剣を抜いて背後からその男を刺した。男は絶命。以下略」 筆者に軍隊経験はないが、この表現については"嘘"と断じる。部隊は師団―旅団―大隊―中隊―小隊で編制されていた。「歩兵第106大隊」 はいいとしてせめて 「○○中隊、○○小隊」 と明確に隊名と隊長名を挙げて貰いたい。「部隊が中国人に道を尋ねた」 も大雑把過ぎる。師団単位の大進軍で 「大隊の部隊が道を聞く」 事は有り得ないだろう。道を教えた老農夫が日本兵におびえるのであれば、何で 「部隊に道を聞かれる場所」 に居たのか。「駆け出した瞬間古兵が帯剣を抜いて背後から刺した」 というが、駆け出したのであれば数メートル以上離れている筈。帯剣はすぐには抜けないと聞いた。古兵が走ったとは書いていないのでその場で刺したのだろうか、矛盾がある。そもそも道を尋ねて教えてくれた農夫を殺す必要があるのか。戦乱中ではなく進軍中にである。少なくとも古兵の周囲には数十人の兵隊が居た筈。誰も止めなかったのか。仮にこれが事実としたら古兵の名前は聞いただろう。古兵、班長、小隊長、中隊長名を明かして貰いたい。それが事実を証する。



 1月15日に第1回が放映された 「明日、ママがいない」 について、放送直後からドラマの内容について賛否両論が湧き上った。日本テレビ系列の局から流された児童養護施設のこのドラマに対し 「こうのとりのゆりかご」 を運営する慈恵病院の蓮田太二院長が 「放送中止」 を日テレ側に申し入れるとともに記者会見を行い、「同じ立場の子が見たら心が傷つく」 と抗議の姿勢を示した。筆者はこの手のドラマを含めてテレビドラマは全く見ない。どの作品も低俗すぎて見るに価しないからである (趣味の問題)。従って 「明日ママ」 も1回目は見なかったが、余りにもメディアが騒ぐので1月22日放映分は録画した。したが見なかった。忙しい為時間がなかったのである。が、その後の慈恵病院や、「全国児童養護協議会」 が放送中止や内容の変更を求めたとの報道を見て本紙で採り上げる事にした。

 書くにはドラマを見らねばならないので2月初旬の深夜に第2回放映分を見た。思った通りの 「つまらないお涙頂戴」 のドラマであった。脚本監督は野島伸司の字幕が出ていた。聞けば野島は家庭ドラマのヒットメーカーという。施設名を 「コガモの家」、ここの施設長の設定、描き方が雑で乱暴である。こんな人物が、どう転んだって児童養護施設で働く事は有り得ないであろう。里親候補の書類を児童に見せて 「これが次に拾ってくれる里親だ、お前は可愛いトイプードルだ、ほらお手をしてみろ」 と暴言を吐く。里親と慣れる為週末に里親の家に車で送られて行く。この車を運転する施設の女職員 (施設上がりらしい) の暗い人物像。里親の家で夜の場面で男児が"母の匂いがする"として片時も離さない液体洗剤のボトルを取り上げて捨てる。そして 「お風呂に入りましょう」 と嫌がる男児を抱えて強引にバスに入れる。人の心理を無視した乱雑なストーリーであった。書けば切りがないのでここで止める。要は日本映画や、テレビドラマに通底する低いレベルのB級作品ではないか。勿論人は百人百様、このドラマを低俗として無視する人。施設の子が可哀そうと同情する人。施設長に対して激しい怒りを覚える人等多様な受け取り方があるであろう。

 テレビドラマに登場する人物、ストーリーの描き方は殆ど誇張されて現実離れしている。たまたまこのドラマが児童施設を描いていた為、関係団体の抗議の声が挙がった。テレビドラマが描く社会ドラマなどもほぼ同様日常茶飯に描かれているではないか。各紙によると、このドラマを見て 「施設の子どもが学校で (ドラマを見た子から) 『お前ももらわれていくのか』 と云われた」 (朝日1月25日付)。「施設の子どもが学校で 『おまえが主人公か』 など聞かれたりする事例も報道されている」 (熊日1月22日 全養協会長、里親会長の会見) と報じている。この話に裏付けはあるのか問いたい。又、放映に抗議した慈恵病院関係者にも問いたい。「貴方達は児童施設の実態をどれ程知っているのか」 と。貴方達は単なる 「一時預り所」 として赤ちゃんポストを運営しているだけではないか。



実在の施設はまだ酷い
暴力・セックス何でもあり
 「明日ママ」 のドラマ製作のヒントは平成25年11月下旬に慈恵病院をモデルにしたTBS系 (県内ではRKK) で放映された 「こうのとりのゆりかご〜 『赤ちゃんポスト』 の6年間と救われた92の命の未来〜」 ではなかったか。このドラマを勿論筆者は見ていないが生命を大切にしようとして組織された 「生命尊重センター」 発行の 「生命尊重ニュースVol. 31」 にこのドラマを見た人達の感想文を読んで大筋を知った。勿論全員が物語に感動したと絶賛している。この組織は 「マザーテレサの精神を受け継ぐ」 として20数年前に作られたらしい。胎児の時から成長するまでの生命を大切にしようとする運動で、赤ちゃんポストに一脈通じるものがある。横道に逸れた、本題に戻る。各メディアは 「明日ママのドラマを見て施設の子に偏見が生まれる」 とか 「被虐待児にはショックだ」 等々施設側や、識者と称する人達の発言を載せ 「明日ママ」 を非難する論調が目立つ。

  この人達は"施設"の実態をどれ程知っているのか、疑問に思う。かつて筆者はある施設の内部告発を受けて取材、報道した。関係者6、7人に加え、18歳になって施設を出て自立している人物からも施設の内情を聞く事が出来た。先ず施設側の職員 (施設長を含む) の入園者の扱いである。明日ママの過激 (と云うか馬鹿げてはいる) 以上に 「こら」 「お前」 「云う事を聞かんとここから出すぞ」 は日常茶飯。施設に 「ゴンチャン」 と呼ばれる園長が居る。ゴンチャンの渾名の由来は 「いつも園児をゴンゴン打つ」 から。在園者同志でも年上の子が年下の子の物やお金を取り上げたりする。暴力を振るう事も多いが、これが施設側に知れる事は少ない。一度発覚したが、その時施設長は加害者の子を殴り暫く土下座させていた。女子中学生と男子高校生が性的関係を持った。高校生になるとこの関係はまだ増える。部活で帰りが遅くなった少年が室に入れてもらえず犬小屋で一晩過ごした。指示に従わない子供に物を投げたり、「どこの馬の骨か分からん奴が…」 「園を出てもどこにも行き場はないな」 等々である。又、職員間でのトラブルや、児童間での喧嘩やいじめも日常よく見られる光景と聞いた。施設幹部職員の実習生へのセクハラ、園生へのセクハラ等も某裁判で証言されている。園児、園生の性格も健全な環境下にある子供との相違も見られ、保育士、指導員の苦労は絶えない。



赤ちゃんポスト設置
慈恵病院運用の不備を衝く
運用開始初日に3歳男児
 熊本市の医療法人聖粒会慈恵病院は平成18年11月、同院内に 「赤ちゃんポスト」 設置を公表した。日本初となるこの施設に対しメディア各社は大きく反応した。同院蓮田太二理事長は 「事情があって育てられない赤ちゃんの生命を救いたい」 と人道主義に基づいた視点からの発想を語っているが、筆者に云わせると 「貴方は20年30年先を見越してこの運用を始めるのですか」 であった。慈恵病院側の発言を聞く限り 「捨て子の一時預り」 としか受け取れない。正にポストその物ではないか。尊い生命を救うのは間違いのない事実である。しかし、捨てられた赤ちゃんの未来について病院側は何の保証もしていない。これでは"仏作って魂入れず"にならないか。筆者のこうした思いは勿論病院側に伝わる筈もなく、同院は赤ちゃんポストの設置を熊本市に申請した。

 市は独自の判断が出来ず厚労省に意見を求め 「法には触れない」 のお墨付を得た結果平成19年4月5日設置を許可した。翌日の新聞各紙は1面トップ (朝日、熊日) で報じた。それだけ問題が大きかったと云える。5月2日付熊日は1面トップと社会面を使って 「『ゆりかご』 運用 10日正午 熊本市 慈恵病院の横見出し」。「深刻な相談30件超す」 の縦見出しで運用開始日時や施設を詳報。そして5月11日各紙各局は運用開始を大きく報道した。「開設当日の10日午前、慈恵病院にはテレビ局の大型中継車3台の他カメラが10台、報道人は50人超えた」 (以上熊日11日付朝刊)。次は同月16日付。「想定外?病院は沈黙赤ちゃんポストに3歳児 『お父さんと来た』」(毎日)。「『命救うことが大事』 『こうのとりのゆりかご』 に男児 病院職員周辺住民 緊張と心配交錯」(熊日)。「赤ちゃんポストに3歳児 目的外利用 『新幹線で来た』」(朝日)。この外、日経、読売なども大きく報道した。この3歳児は、運用開始当日の午後2時〜3時の間に父親から 「かくれんぼをしよう」 と騙され、自分で赤ちゃんポストに入ったらしい。この出来事は慈恵病院側にとっては"想定外"の出来事であり、当日緊急幹部会を開き 「預けられた事実は当面部外秘とし、全職員にも徹底させる」 と決まったと聞いた (病院関係者談)。

 本紙も5月号で報道したが、ポスト開設当日の夜八時頃から同院近くで張込みを行った。開設数カ月前から全国的にメディアが報道していたので、「必ず当日か2、3日中には捨てに来る親がいる」 と読んだのである。当然 「人目につかない夜に来る」 と読んだが、これが大外れで真昼間であった。病院内の"おかしな雰囲気"を感じていた矢先、帰路についた女性幹部が、筆者の車に疑問を持ったのか引き返したので筆者は現場を去ったと編集後記に記している。



捨て子を助長する
一時預り所の存在
 慈恵病院は 「こうのとりのゆりかご」 と呼びたいらしいが、各紙誌はその上下に 「赤ちゃんポスト」 と入れる。本紙は設置が話題に上った時から 「捨て子を助長する」 と設置に反対した。筆者が強調したいのは、預かった病院側は数日間健康状態など調べ、健康体であれば県内の3つの乳児院に移される。その後乳児院から養護施設に移され、引き取り手 (養子縁組など) がなければ18歳まで施設で過ごすことになる。慈恵病院が 「尊い生命を救う」 と云っているのに嘘はないが、筆者に云わせれば 「生命は救うかも知れないが、その子の将来については全く責任を持たない」 である。

 ポストの言葉通り"一時預り所"でしかない。6年間で100人余、今後も継続して運営すれば数百人が慈恵病院経由で乳児院や養護施設に送り込まれる事になる。それらの子供達が社会人となって自立した時 「生かされていて良かった」 と感じるのは何割であろうか。本紙が赤ちゃんポスト設置に反対するのは、捨てられた赤ちゃんの将来を慈恵病院が何ら保証していない点である。一時預りで、後は 「はいさようなら」 は無責任過ぎないか。その乳児を一番多く受け容れている某乳児園は悪評だらけ。蓮田院長は 「あそこには入れたくない」 と悩んでいるらしい。



 25年度のシラスウナギ (ウナギの稚魚) は史上最低と云っていい程の不漁であった。夏の土用丑の日の前後、ウナギの蒲焼が高騰してニュースになったのも記憶に新しい。そのシラスが今期は豊漁となって関係者を喜ばせている。豊漁と云っても熊本で昨期の2倍強、日本一の養殖量を誇る鹿児島県で 「池入れ」 の6割程度が採捕されている。
 2期続いた不漁から一転して豊漁になった理由は漁業者は勿論、各県の水産研究センターでも分かっていない。昔から云われている 「シラスは採捕が解禁されて始めてその期の豊不漁が分かる」 のである。本紙も昨年実施された県水産課の 「親ウナギ禁漁」 指導に絡んで報道した。その中で 「―ひょっとして、間もなく解禁される今期のシラス漁は思わぬ豊漁になるかもしれない。逆に昨年よりまだ不漁になるかもしれない」 と論じたが、幸い前者の言の通り漁獲量が急回復している。漁獲量の回復によって昨年1キロ当り280〜300万と云われた取引き価格も急落、2月末現在20〜15万円 (熊本) となっている。熊本県では、ほぼ独占的な存在となっている 「緑川生産センター」 も24プールは満杯になっていると云われ、漁期が終る頃は他県の業者に売却する 「浜売り」 が行われるだろうと見る業者も居る。県水産課は 「昨年は30キロの水揚げであったが、今期は既に60キロを超えている。あと少し漁期 (1月〜100日間) があるのでほぼ充足出来るのではないか」 と語っている。尚、シラスの輸入量は把握していなかったが、シラスは先ず中国、台湾で採れ始めて沖縄、九州と北上するので九州の業者は中国、台湾から早目に仕入れている様である。シラス採捕業者の一人は 「今期の始めは8〜90万 (1キロ) だったが、漁獲量が上がるにつれて下がった。60万40万となり、今は15万と買い叩かれている」 と怨み節も聞かれた。で、今年の丑の日の 「ウナギの蒲焼きは安くなるか」 と喜ぶのはまだ早い。その頃までに成長して出荷に至らないのである。



遅れている熊本の養鰻業
 日本ウナギの養殖量日本一は鹿児島県 (大隅養鰻漁協) で、正組合員26の業者が毎期6〜7屯のシラスを養殖している。大隅漁協は 「うちは夏の丑の日に間に合わせる為、地元で獲っていたのでは間に合わないので早期に獲れる中国、台湾から仕入れる。地元で揚がり出しても中国産などの単価次第で中国産を優先するが、今期は6割が地元産になりそうだ」 と語る。シラスは千倍に育って出荷するので6〜7千屯の出荷量となる。宮崎県水産課も 「昨年は474キロの水揚げで終わったが今期は2屯を超えそうだ。取引き価格もキロ20万前後に落ちついている。ここ数年の不漁でチョウザメの養殖に切替える業者も出て来た。建設業からの参入もあり、キャビアの生産県を目指す」 と養殖業者の育成に力を入れている。同県も夏の丑の日に合わせて出荷する為、今期も早期に中国、台湾からシラスを輸入しているが、輸入量は総生産量の3割前後と見ている。余談になるが、東京の 「うな重」 は小型の物が1匹単位で出る。大阪は大型のウナギを焼き上げ、適当に切って出す。わが熊本はと云えば関西流に中、大型蒲焼きを切って出す様デスネ。



交聲曲 海道東征
県立劇場で上演
 去る2月11日建国記念日に合わせたかの様に熊本県立劇場で交聲曲 「海道東征」 が上演された。この曲は昭和15年、皇紀2600年の奉祝曲として、作詩北原白秋、作曲は 「海ゆかば」 で知られた信時潔の手によるものである。白秋は作詩時殆ど失明状態にあり、妻や娘に字を大きく筆写してもらったり、読ませたりして完成させたと云われる。

 初演は昭和15年11月21日東京音楽学校音楽堂で一部が上演された。同26日日比谷公会堂で音詩・交聲曲等の発表会でオーケストラの下全曲が上演された。同月29日大阪中之島の朝日会館で上演された。翌年橿原神宮でJOBKの楽団と合唱団の上演を最後に上演は行われなかった。戦後は民放で放送の為の録音上演などがあったが、フルオーケストラでの上演は熊本公演が3回目という。

 余り声楽曲は聴かない筆者だが 「海道東征」 の言葉に連られチケットを購入した。演奏は管弦楽団 「横浜シンフォニエッタ」、指揮は新進気鋭の山田和樹氏。演奏会は地元合唱団を含めた120人の一糸乱れぬ大合唱と管弦楽が一体となった演奏に心打たれた一人である。中でも筆者が 「これぞ日本の交聲曲」 と感じたのは、演奏の中で明らかに 「和楽が折り込まれている」 と聴きとれる部分が2カ所あったからである。第一章高千穂に始まり第八章天業恢弘は、神武東征を見事に謳い上げていた。



 熊本県空手道連盟のゴタゴタは以前から耳にしていたが、ここに全貌を報道する。最初の情報提供は"反乱軍側"であった。本紙筆者がバカに見えたのか、ガセ情報でも 「ダボハゼの如く喰らいついて云うがままに書く」 と読んだのが誤算。書く以上裏を取るのは常識。その結果が本文の通りで、かつての出水神社と同じ展開になった。筆者はまだ惚けてはおりまっせん。

 熊本県空手道連盟 (江藤正行会長) は、一部の幹部とそれを取巻く同調者らによって混乱が続いていた。これら不満分子の言動で、本来定期的に行われていた昇段試験が昨年7月から不能に陥っている。昇段を楽しみに習練に励んでいた小、中学生が一番の被害者である。特に近年空手道は中学生に拡がりを見せ、連盟関係者も 「空手の裾野が広がる」 と力を入れだした矢先の出来事であった。昇段試験は審査資格 (全空連認可) を持つ県連盟の有資格者が判定するが、全日本空手道連盟 (全空連 本部東京) が昨春来県連盟が申請した5名を承認しなかった。その為審査員有資格者が宙に浮き昇段試験が行われなかったのである。試験会場の熊本武道館に県連盟も事務所を置いており、事務局長以下2名が事務を担当している。全空連が県連盟が申請した5名の昇段審査資格を認めなかった要因は 「数年前イタリアで全空連 (JKF) のロゴマークの不正使用 (全空連の許可なし) と使用して金集めをした (と思われる) 人物が処分されていない上、県連盟幹部として名を連ねていること。連盟に内紛がある」 等を理由にしているやに聞く。

 この件は、当事者であるY氏も認めており 「『イタリアで会員を集め、金儲けに使ったのではないか』 と云われたが、私は会員拡大を図る為、たたき台を作ってイタリアに持ち帰ろうと思ってS理事長に云って書類に会長印を押して (会長に無断) 「もらっただけだ」 と語る。その一件以降、県連盟内でS理事長はずしが始まったとY氏らは話すが、S理事長とM副理事長は1月15日付で全空連から 「永久資格剥奪」 処分を受けている。S理事長は 「私は平成23年に全空連宛謝罪文を書いて出している。それで終わったと思っていたが、又同じ事を云って来られた」 と語る。所で県空手道連盟のゴタゴタは何時から始まったのか。筆者が最初に聞いたのは10年以上も前で、その頃から役員選びなどで支持派と反支持派で紛糾があった。一時治ったもののここに来て問題が一気に噴出した。

 県連盟会長印の無断使用と、平成23年2月に大会10周年を記念した 「芦北うたせ杯ジュニア国際空手道大会」 (うたせ大会) の資金の運用からではないかと云われる。この大会は、当時県連盟の強化部長を務めていたK氏が運営する空手道場主催で10年前から開かれていた地区のジュニア大会を 「10周年記念だから外国選手も招いて盛大に行いたい」 と県連盟の後援を得て開いた大会である。K氏は国外空手関係者と伝手がなかった為、福岡市在住のN氏に 「空手をやっている外国のジュニアを呼びたい」 と文書等で依頼した。N氏はニュージーランド、アメリカ、オーストリア、ロシアの団体と交渉して参加が決まった。イタリアは前出のY氏に依頼、5カ国のジュニアが参加した国際大会となった。外国ジュニアの資金は芦北町振興財団からの補助金の内から250万円を充てた。K氏は 「公金だからきちんとする為振込みたい」 と申し入れたが、連盟側は 「現金で貰いたい」 と回答してS理事長、Y氏、H氏の3人がK氏の許を訪れた。この時K氏はS理事長に 「4カ国は人数が揃っていたが、イタリアは3名しか参加していない。そこに他国と同じ50万円を払う訳にはいかない」 と云ったがS理事長は 「色々あるので後はこちらに任せてほしい」 と云って持ち帰った。

 その内福岡のN氏は4カ国分200万円から、特別ゲストとして呼んだ女子世界チャンピオンの若井敦子氏に礼金として20万円渡し、4カ国には45万円ずつ支払っている。若井氏の招聘はS理事長の希望であった為、K氏は 「250万を連盟に丸投げしますから、後は適宜お使い下さい。領収書だけはきちんと頂きます」 として処理した。が、同年4月1日付で某らと思われる怪文書が芦北町に届いたのである。



県連盟幹部刷新
新体制で浄化目指す
 熊本県空手道連盟 (江藤正行会長) は、3月16日熊本センターホテルで臨時役員会を開いた。別欄に記している様に現体制を批判している不満分子と一部同調者に加え、何故か高体連空手部の役員は1名も出席しなかったが、過半数の役員が出席したので総会は成立した。役員人事では 「旧役員を刷新したい」 として全員の辞任が満場一致で可決された。新役員については「現状の混乱を招いた。正常化する責任がある」。として、前空連の意向を受けて江藤正行会長の続投が決まった。副会長はT氏、K崎氏、理事長N氏、事務局長NM氏が選任された。今後この体制で各担当部長らが選任され、3月下旬まで新体制を確立して全空連の承認を得たいとしている。この日全空連からM相談役も来賓として出席していたが、事前にアドバイスもあった様で事態は急速に改善に向かっているようである。全空連の後援を得られず開催が危ぶまれていた 「第30回火の国旗全国高等学校空手道優勝大会」 も 「主催は県連盟だから、例え小さくてもいい、やろうではないか」 となり、開催に動いている。関係者の一人は 「火の国旗も今年 (5月連休) で30回の節目の年だ、本来なら盛会が予想出来たが、内部の不祥事で一時は断念した。今後の展開次第で全空連や、高体連空手部の後援も得られる可能性も出て来た。一番喜ぶのは空手をやっている高校生達です」 と抱負を語った。新体制には混乱を招いた幹部らは選任されていないので、健全な県連盟が誕生するものと期待されている。



筆者を呼んでガセ情報提供
鵜呑みで書くほど馬鹿ではないョ
 本面の記事を書く端緒は元県警マル暴担当刑事で、途中リタイヤして事業を始めたI氏の言であった。3月9日 「県空手道連盟のゴタゴタを記事に出来ないか」 と誘われ、I氏の事務所に行った。しかし、話の内容がはっきりしないので 「もっと詳しく聞けないか」 と云うと 「明日関係者を呼ぶ」 と云ったので翌日再び事務所を訪れた。他の用件で1時間以上遅れた事を詫びて取材にかかった。そこには熊本県空手道連盟前理事長のS氏、同常任顧問のI氏 (筆者を呼んだ)、常任相談役のY氏、それに何故か県警OBのN氏が居たが、N氏は 「多忙」 と云ってすぐ席をはずした。書けば長くなるので要旨だけを述べる。「公益財団法人全日本空手道連盟会長は、代議士の笹川堯氏が会長で副会長は栗原、東海の両氏だ。熊本県空手道連盟はその傘下にある。現在県連の中でS理事長、M副理事長外しが行われている。

 その張本人がS企業グループのS会長だ。S会長は空手をやっていないが息子が上段者で、一時開新高校に居て同校のトラブル一切を解決していたが、今は父の会社の社長をしている。外に北区で道場を開いているK崎、葦北郡のKらがS会長に加担している。K崎は4年前に除名になったが、弁護士を連れて全空連に行って話をつけたようだ。全空連のロゴマークはイタリアで生徒を集める為に使った。たたき台を作ってイタリアに持ち帰る為だ。S理事長に会長印を押して貰った。それを 「金儲けの為ではないか」 と云われている。3月8日、嘉島のイオンモールに県連の役員を集めた。全空連は人事権がないのに2名が参加した。その時、宿泊先のホテルキャッスルに全空連役員を送迎したのが江藤会長だ。江藤会長とS会長は親しい間柄だ。S理事長がS会長の云う通りにならないので理事長を外そうとしている。芦北のKが大会を開いた時500万円あった。県連を窓口として5カ国から呼んでくれと云われ実現した。1カ国50万ずつで250万貰った。白紙の領収書をくれと云ったので事務局が持って行って3枚渡したが、2枚で250万円分はあった。あとの金が分からん。Kは2年前からS会長と親しくなった。火の国旗が5月4日に決まっているのに全空連は5月3〜5日を使って 「ナショナルチームジュニア選考会を当てて来ている。全空連は東海が牛耳っている。S会長は仲がよい。東海は大阪商大に入学を斡旋するので誰も頭が上がらない。Kは東海とべったりだ」以上走り書きした。本来情報源は秘匿すべきは常識だが、筆者に嘘の情報を流し県連叩きに利用しようとした行為が許せず"実話"を書いた。



 社会福祉法人星峰会東理事長については、ずい分前に情報を得ていたが、裏付けに時間を要して本号での報道となった。信じていた落水市議がよもやの裏切りで、借金してまで支払った保育園取得が泡沫うたかたと消えた。お陰で資金繰りも苦しいと聞くが、僅かな家賃の補助を不正手段で得ていたとは。落水先生に返金の意志はないと見てよく、今後の2人の行方が面白い。2面は放って置けばよかったものを慈恵病院が抗議した為全国的な話題になった。捨て子に来るのは県外からが多いと聞く。それらの赤ちゃんが18歳に成人するまでの養育費は市県民の税金が充てられる。国からの補助があるとはいえ、無責任に産んだ子をわれわれの税金で育てなければならないのか。赤ちゃんポストの運営は自己満足以外の何物でもないと筆者は思っている。前号山都町長のスキャンダル報道は、初回と異なり、町長派と思われる3件の抗議があっただけで 「よく書いた」 の声は1件もなかった。皆初回の報道で納得しているのだろう。リコールは町民の対立を煽るとして中止になった様で賢明と思う。県の空手道の混乱は欲に目が眩んだ一部の幹部が惹き起こした様だ。正常に向け動き出した。
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