熊本県民新聞 WEB版
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〒861-8034
熊本市東区八反田1丁目14-8

発行者:福島 宏

電話:096-234-8890
FAX:096-234-9883


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家入耕弌常任顧問の指示か
3日前 九学日吉監督と密談
 前号本紙4面に掲載した熊本県空手道連盟の記事で、匿名ながら数人から「よく書いてくれた」と賛同の声が寄せられた。その中で「イニシャルでは部外者はチンプンカンプンだ」との声もあったので実名で報道する。イニシャルにしたのは家入氏らへの気遣いではなく、関係者に公務員や、企業経営者が居たからである。それら関係者も実名報道に異はなかったので、以後実名で記述する。

 前号は内部の混乱が招いた昇段試験の中断について述べたが、本号では3月16日の臨時総会に高体連(空手部)から1名の参加もなかった原因と、高体連が一部の幹部らに引っ掻き回されている傾向が見える。現況を記す事によって、裏で蠢く虚像を知って貰いたい。

 数年前から熊本県空手道連盟(県連盟)は、家入耕弌氏、吉岡厳氏、村瀬一三生氏らが里見昭副会長兼理事長を担いで主導権を握ろうとしていた。顧問団は村上寅美、早川順一、牛嶋弘の三氏が就任していたが、形だけの名誉職である。江藤正行氏は前会長永野光哉氏の指名で就任したが、会長として総括する立場にあり、実務は副会長以下を信任して任せていた。以上の構図を知って頂き、以下は2面に詳報する。ここでの本題に入る。

 3月16日の臨時総会に高体連から1名の役員も出席しない異常事態が出来しゅったいした。他の役員から不審の声が挙ったが、出席数は規約を満たしたので議事は進行、新体制が発足したと前号で記した。その後本紙が得た情報は驚くべきものであった。臨時総会3日前、3月13日に高体連専門委員日吉伸孝氏(九学)が、熊本市中央区大江3丁目の褐x護調査(家入耕弌社長)の事務所を訪れていたのである。家入氏は県連盟常任顧問の最高ポストにある。その日、日吉氏は愛車(写真参照)を駐車すると三祐ビル2階に在る事務所に入った。時刻は午後1時50分であった。日吉氏が事務所を出たのは午後4時03分であった。2時間13分の間2人は何を話し合ったのであろうか。16日の高体連全員欠席を考えるとこの日綿密な打ち合わせが行われたと見て間違いないだろう。




家入グループ 敵を作って自説正当化
園田会長 悪人に仕立てた
 正論を通すのであれば事実だけを述べればよい。だが事実を曲げて事を為そうとすれば虚像を作り上げ、それに沿ってストーリーを作らねばならない。家入氏らは勿論後者である。3月9日昼頃、褐x護調査事務所を筆者が取材に訪れた状況は前号で書いた。この時の会話の概要を述べる。前号では、家入、吉岡、里見の三氏の云い分を流し書きしただけであったが、その後当事者に会話の内容を確かめた。以下はその結果である。先ず三氏の内、里見氏は自分の事を中心に話しただけで、他の問題に余り言及しなかったとお断りしておく。後述する会話は主として家入、吉岡の両氏と思って頂きたい。先ず里見氏を「理事長だ」と紹介された。

 吉岡氏は旧知の間柄だが「久し振り」という事で名刺を頂く。家入氏から「吉岡氏は常任相談役」と紹介。全日本空手連盟会長は笹川堯で、副会長は栗原と東海だ。栗原は園田派だ。東海は元山口組員だったが、今は足を洗っている。園田氏が中心になって江藤会長らを捲き込んで里見理事長外しに動いている(注・園田氏は園田企業グループ会長、子息が空手をやっていた為県連盟に理解がある)。「里見潰しに動いているのが園田氏の意を受けた針崎英道、芦北の釜、須屋の空心会などだ。園田は里見理事長や村瀬副理事長らを外して県連盟を牛耳ろうとしている」と云うので、筆者が「県連盟を牛耳って何かメリットがあるのか」と聞くと一瞬言葉に詰まったが「一種の名誉欲と県連盟を自分の思い通りに動かしたいのではないか」というのが家入氏らの答えであった。

 この点を園田会長に確かめた。「私が県連盟に口出しした事は一度もない。息子が中学生の頃から空手を始めたので保護者として関心はあった。高校、大学と進んでも空手をやっていたので行事がある時は少し支援した事はある」又家入氏らが「園田のバックに道仁会が居るので皆が恐れて何も云えない」については「私も若い頃は元気者だった。その時縁を得て道仁会の某親分と親交を持ったが、10年以上前その人物は死亡した。以後道仁会と付き合いはない」ときっぱりと否定した上で「私は家入社長に何度か経済的な支援をしている。今になって何故私を悪人に仕立てるのか真意が分からない」と当惑した表情であった。経済的支援については「何度か一千万近い金を融通している様だ」と別な人物から聞いた。吉岡氏も園田氏と親しい時期があった様だが、今何故敵に回ったのか。




高体連正常に復帰せよ
反乱分子の虚言に騙されるな
 熊本県高体連空手部の幹部は県連盟副理事長村田克彦氏(文徳高校)、常任理事日吉伸孝氏(九州学院)、常任理事、専門委員長西田浩氏(熊本商業)で、この三人は家入派である。家入氏の人柄、主義主張に賛同して同調しているのか。それとも彼らが主導権を握る為、江藤正行会長を筆頭に県連盟の正常化を目指す良識派を「あること、無い事をないまぜ」に流した情報を信じ込んでいるのかは定かではない。しかし、高体連が新発足した県連盟の決定を無視して「火の国旗」に代えて独自の"練成大会"を開こうとする理由は何か。臨時総会前、日吉伸孝氏が家入氏と2時間余密談した事から推して高体連が家入氏らの影響下にあるのは疑いのない事実であろう。高校生達が毎日の厳しい鍛練に励むのも「火の国旗全国高等学校空手道優勝大会」に臨む為ではないか。その大会が中止された原因が、里見前理事長を始めとする家入派の「組織運営の妨害、全空連幹部への誹謗中傷等」ではなかったか。家入氏は表に立たず、実動部隊として動いた村瀬氏、里見氏は今年1月15日付で全空連から「会員資格無期限停止」処分を受けた。吉岡氏は元々会員ではない為処分の対象にはならなかった。高体連は進むべき道を、何処かで見過っているのではないかと案じる。



 3月27日、又死刑囚の再審決定が下された。「袴田事件」とされる一家4人殺しで死刑が確定していた袴田厳被告である。今回も決め手になったのがDNA鑑定であった。加えて今回は証拠とされた犯行時の着衣が「後日捏造された疑いがある」と断じた。そして異例とも云える「拘置をこれ以上継続することは、耐え難いほど正義に反する」として即日死刑、拘置の執行を停止した事にある。出所した袴田被告は加齢もあって、余り喜んでいる印象は少なかった(テレビニュース)。筆者がこの種の判決の際、いつも不思議に思う事がある。「真犯人は何処に居るのでしょうね」である。袴田被告を真犯人と決め付けるつもりはない。

 しかし、犯行時袴田被告は4人が殺された味噌醤油製造業「橋本藤作商店」に他の40人の従業員とともに働いていた。同商店の専務夫婦と2人の子供の4人が殺され放火された事件である。従業員40人の他多くの関係者が警察の捜査対象になったであろう。その中から何故袴田被告が"犯人"として浮上したのか。袴田被告は逮捕された2週間後頃から犯行の自供を始めたという(新聞各紙、週刊誌から)。一旦犯行を自供した袴田被告は後に否認に転じる(これは多くの再審開始者に共通している)。「一旦自供」は取調官らが拷問でもしたのであろうか。刑事にしても確信のない容疑者を死刑となる犯人に「仕立て上げる」程冷酷非道な集団であるのであろうか。人間のDNAは全て解明された結果、証拠能力は高まった。それでも筆者は真犯人は誰か知りたい。



 芦北町在住の釜辰雄氏が家入グループの攻撃対象となっているらしく、数年前から嫌がらせの電話や、怪文書を撒かれるなど被害が続いている。前号でも一寸触れたが、平成23年2月、釜氏が道場主の海王塾創立10周年を記念した大会を開いた。芦北町も常々「空手による町興し」を町政の一つに掲げていたのでこの「うたせ大会」にも助成金400万円を支出した(これが何故か500万円と一人歩きしている)。助成金の使途は前号に詳報済。この時釜氏は、吉岡厳氏にイタリアのジュニアの招待を依頼したが、他国が10名以上の参加であったのに対し、イタリアは3名しか出場しなかった。その為、現金を受け取りに来た里見理事長らに「3名と10名以上の参加者が同額はおかしい」と強硬に抗議したが、里見氏は「吉岡氏には50万円が必要だ、あとは県連盟に任せてくれ」と云って現金を持ち帰った。その後の処理は釜氏は一切ノータッチであった。

 同年4月1日付で発行者不明の怪文書「葦北町々長 竹崎一成様」の宛名だけで、中身は釜氏を誹謗中傷した記事であった。釜氏は「関係者が読めば、中身が如何に出鱈目かはすぐ分かる。町内に相当撒かれた様だが、町民から批判の声はなかった。町長にはきちんと説明して了解してもらった」と語る。その後も釜氏は里見体制の不明朗さを総会などの場で批判を続けていた。所が、昨年4月1日の役員会で突然家入耕弌氏が県連盟常任顧問に就任、江藤会長を除く多くの幹部を身内(家入支持者)で固めてしまった。釜氏と園田明成強化委員は一片の通知書もないまま除外された。後任には家入氏の子息家入慎太郎、日吉伸孝の両氏が就任したが、この二人に監督資格はなく、各種大会登録は出来ないという。監督には西山徳幸氏が就いたが今年3月16日付で辞任している。

 そして今月3月9日夜、芦北町内の海王塾、小中学校の通路に数千枚の怪文書がばらまかれたのである。民家などにもポスティングされていたが多くは路上に撒かれていた為、海王塾の塾生や保護者の知る所となって関係者らが集合してほぼ回収に成功した。翌日家入氏から竹崎町長宛に電話があったが竹崎町長は上京中であった。応対した職員に家入氏は「芦北町は大変な事になっている様ですね」と云ったが、職員はその意味が汲めなかったという。午後町長は帰郷、出庁したが、夕方家入氏から電話があり「何かビラが撒かれたらしいが、大した事はなさそうですね」と云って「町長に問題があったら助けようと思って電話しました」と云って切ったという。「海王塾釜辰信氏について」と題したビラの内容は読むに耐えない下卑た文言で釜氏を攻撃している。釜氏は直ぐ県警芦北署に「犯人不詳」で名誉毀損罪で告訴している。面白い事に、当初このビラ撒きは「県民新聞がやった」との見方が有力であったらしい。




臨時役員会総会不成立目指した
家入一派排除に良識派立ち上がる
一夜で逆転総会成立
 全空連の要請によって去る3月16日に開かれた県連臨時総会だが、この日に至る迄、水面下の闘いは陰湿且つ壮絶であった。開催を知った家入グループ(家入、里見、村瀬、吉岡、日吉氏ら)は自派又は「自分達の云い分を信じている」役員達と直接会ったり電話等で臨時総会を欠席する様に働きかけを行った。その結果は「欠席多数で過半数以上の出席(委任状を含む)数を満さない」と読んでいた(これは笑い話になるが、本紙に情報提供した際、筆者は家入氏が手に持って説明していた「第29回火の国旗」の際の連盟幹部名が記されたコピーを『それもくれ』と云って貰っていたのである)。その名簿は家入氏が自派と反対派を色分けしたり、×印を付けているのである。

 紙面の都合上反対派と思われる印のある役員だけ記す。江藤会長、長尾誠太副会長、西山徳幸副理事長、常任理事森野修二、浜洲英星、阪梨健、織田元一、岡本信寿、梅木幸男の6名。外に事務局長片山博征氏、同局員中川弘美氏。事務局次長は里見氏と近いとされ、事務局が入手した情報を外に洩らしていた疑惑がある。別に手書きで釘崎、津山の名前もあった。以上に対し家入派は2/3位は自派のマークが記してあったので、数の上では優位にあった。「家入派が「出席するな」の動きを察知した反対派は開会数日前から「コチコチの家入派」を除いて電話で「県連刷新の為に是非出席を」と説得工作を行った。中には家入氏らが日頃から「園田会長グループの組織乗っ取り」説を流している虚言を信じている者も居たが「一人一人親身で説得した」という関係者の努力が実を結び3月16日は過半数の役員が出席、臨時総会は成立した。関係者の一人は「前夜まで勝負は5分5分と見ていましたが、総会成立を見てまだまだ県連幹部には良識人が居るんだと心を強くしました」と喜びを語っていた。全空連は人事刷新で新体制が整ったのを確認出来次第「三級資格審査員の認定、段位、審判資格の申請及び更新手続を認可する方針であり、近々県連盟の機能は回復されると思われる。

  尚、3月16日付で常任顧問のポストを失った家入氏、1月15日付会員資格無期限停止処分を受けている里見昭氏、村瀬一三生氏、里見氏が個人的に任命したとされる常任相談役吉岡氏らは「県連の資格は失っても熊本市連盟の会員資格はある」として今後も「空手道界の発展に寄与していく考えを示しているという。高体連空手部も「江藤会長の背後には反社会勢力(道仁会)の園田会長がついている」説を信じている者も多いとされ、県連盟に反した行動を取っているとの噂も流れている。県連盟を乗っ取り思うがままに操ろうとしたのが、以上述べた様に"家入一派"でありこの混乱を収め、健全な空手道連盟を目指しているのが新体制である。「いい加減目からウロコを落としなさい」と云いたい。



本紙前号を検証
悪意に満ちた家入情報を暴く
 前号にも書いたが、今回の一連の県空手道連盟の記事の提供は家入耕弌氏であった。3月8日に「県空手道連盟内の揉め事について色々耳に入ったが、記事に出来ないか。詳しく話しますけん事務所に来てもらえますか」と電話をもらった。翌日家入氏の事務所を訪ね、県連盟の事情を取材するが「あれが悪い、これが悪い」と部分的にしか指摘しないので「もう少し詳しく聞きたい」と云ったら「明日関係者をここに呼びますけんそこで聞いて下さい」と云ったので10日の11時を約束した。当日の事は前号「筆者を呼んでガセ情報提供 鵜呑みで書くほど馬鹿ではないヨ」の見出しの中の記事で述べた。この記事の冒頭「…元丸暴担当刑事…I氏」と書いたが、後日元県警丸暴担当OB氏らから「家入は丸暴を担当した事はないですよ、刑事一課を歩いていた」と連絡を受けた。それまで筆者は家入氏を「丸暴担当だった」と信じていたのである。家入氏との会話の中で「俺は○○組の組長と親しい」とか「××組の組長は俺が現役時代逮捕を一晩延ばしてやったので俺に恩を感じている」等々ヤクザ業界について実に詳しいのである。書けば限りがないのでやめるが、要は「自分はヤクザ業界に顔が利いている」と常に言葉の端々に臭わせていた。県警に対してもそうである。「あいつはわしが一回怒鳴り付けた奴だ」「何かあったら云うて下さい、県警はどうにでもなりますから」等々話し、実際何人かは親交があるのは目にしている(殆どが同期や、在職当時に親しくしていた人達であったが、もう殆ど退職していて以前程の繋がりはなくなっている)。

 嘉島町の「イオンモール」で県連盟幹部会が開かれた際も「江藤会長がY(元県警刑事部長)と親しいのでYが御船署に連絡、御船署員が来ていた」と云う。その理由は「江藤会長が反対派から吊し上げられやしないかと案じた為」と語った。又、全空連から幹部二人が出席したが、「その幹部をホテルに送迎した」と家入氏は云ったが、江藤会長に聞くと「私は送迎はしておりません。二人はタクシーで往復しています」であった。

 芦北町の釜氏については「500万円の資金の内250万円の使徒が不明となっている」と語ったが、別項の通り運営資金は400万円であり、全額分の領収書を添付して精算は完了している。「園田会長が江藤達を使って里見外しに動いている」には「何故園田は里見外しに動くのか」と問うと「里見理事長が園田の云う事を聞かないので面白くないのだろう」であったが、里見氏は今年1月28日付で全空連会長笹川堯名で会員資格を無期限停止処分を受けている訳で、筆者に話した時は「前理事長」であった訳だ。停止理由も「私文書に対する不適当な職印使用の取り扱い。JKFロゴマークの不正使用」などに加えて「不明瞭な会計処理に関する責任問題」が挙げられている。里見氏自身は筆者に「私の不始末については県連総会で説明し、全空連に謝罪文も提出している」と語っていたが、全空連の処分の一項に「全空連からの回答書に対し、再三の督促にもかかわらず回答期限を遵守しない行為」が挙げられている。

 家入氏らは園田企業グループ会長園田和生氏について「全空連副会長の栗原(茂夫)、東海(誠)と仲がよい。園田は全空連をバックに県連盟に圧力をかけて来ている。東海は元山口組員で大阪商大と近い為、高校を出ても進学出来ない空手部員らを大阪商大に入れてやるので大きな力を持っている」も「東海氏に山口組組員の経歴はなく、人柄も温厚、大阪商大空手部師範だが、裏口入学に手を染めた事はない」であった。ある空手連盟関係者は「全空連を使って県連盟に圧力をかける事は不可能。全空連は全て倫理規程に基づいて動いているので個人的に動かせる組織ではない」と語っている。

 今回の一連の報道を通して分かったのは、家入氏ら一派が県空連の人事を握ろうとしてゴリ押しした結果、良識派が反発。数年間も会計報告がないなどの疑惑解明に立ち上がった末の大立回りであった。



実力だけの昇任は無理
縦社会の弊害消えず
 一般企業や公務員等の人事異動で"情実人事"は少なからずあるのは「社会の常識」であろう。ここで述べる熊本県警についても例外ではない。昭和50年代を最盛期に存在した「五倫の会」はその典型であった。捜査一課盗犯係長を中心に、当初は、親睦会目的で作られた組織が肥大「五倫の会員以外は警察に有らず」の空気が県警を支配した。その最後の生き残りと云われる警視正が数年前定年退職したが、その影響力は「あと数年は続くだろう」と見られている。その典型の例として、今春の異動で交通部参事官に昇任したI氏について述べる。

 I氏は長年交通畑を歩いた後警視に昇格する前後から"県警の実力者"と呼ばれていた某警視正に接近、以降順調に昇進を続けている。最近のポストを見てみると平成23年3月免許課長から小国署長に就任。翌年3月交通部理事官、翌年3月宇城署長へ。そして今春の異動で前記交通参事官に昇進した。この間、かなりの先輩を飛び越している事からも、某実力者の力が背景にあると読んで間違いはなかろう。取材で分かった事だが、免許課長(免許センター)時代女子職員達に「あんた彼氏はおっとか」「飲みに行かんか」「今日はよか匂いのすんな」等セクハラ発言を繰り返し行ったと云われる(免許センターは一般職員と警察官が混在)。堅物の女子職員が批判的な態度をとったが、以後「俺の傍に近付くな」と暴言、それも批判されるとその署員を他部署に異動させた(自身で自慢気に部下に話した)。

 小国署時代も異動直前の1月、地区行事の「どんどや」で深酒し、酒気が抜けないまま翌朝自家用車を運転して車の修理工場に持ち込んだ。居合わせた数人の町民がI署長の酒の匂いを感じ「署長が飲酒運転ばしとらす」と騒ぎになりかかったが、中の一人が「騒ぐな」と云ってその場を収めたという。

 3月の異動内示発令後「刑事課長と挨拶回りをして餞別を集めた」との陰口もある。30万程度は儀礼的な金額であろうが、人格故に非難の声が挙った様だ。



熊日報道
餞別の盾は実力者向け
 今年1月中旬、熊日地方版で「宇城署長・Iさん今春退職署員へ木製盾を制作中」の見出しで木盾を彫っている写真とともに退職署員に贈られるであろう心温まる記事が掲載されたらしい(筆者は記憶に残っていない)。所が、この記事を読んだ多くの警察関係者から「あの盾は格下の先輩署員に贈られる物ではない。県警の有力者に贈る為のものだ」と批判が続出した。警察幹部が知っているだけでも、I警視が製作した木盾の第1号は前述した県警の実力者に贈呈された(以後I警視とんとん拍子に出世コースを歩いた)。第2号は影響力があると目されていたN氏に進呈しているのである。I警視から見て「下っ端」に当る警部補以下の先輩に贈られたかどうかは確認出来なかったが、熊日の記事で反発が大きかったのも又事実である。

 遅れたが、I警視が小国署長時代「地区安全運転管理者等協議会」の金銭疑惑も囁かれている。小国地区の同協会は、以前町内の建設会社内に置いていたが同社が倒産した為小国署内に移された。事務局は女子職員が担当する事になった。設置当初は「占める場所も狭いので場所代は要らない」として徴集しなかった。が、I警視が署長に就任してから「事務局の賃料」を女子職員に請求する様になった。収められた賃料(金額不祥)は当然小国署(県)の収入として処理されなければならないが「これが杜撰に処理された」為、総会前の役員会でこの使途不明金問題が浮上したが何とか署員が収めたと聞く。



 宇土市土地開発公社が、国道57号線と宇土駅を結ぶ新市道建設に伴い、路線沿いに造成した土地売買について"不正疑惑"が生じている。平成25年12月議会で共産党市議が分譲疑惑を追及したが、池田信夫理事長(副市長)らは理由にもならない理由をつけて問題を有耶無耶に終らせた。宇土市議会は与党が過半数を占めている上、他の保守派市議も表立った追及姿勢は見せていない。本紙には12月議会終了後この情報が寄せられたが、今春の市長選を慮って本号での報道となった(他紙は選挙直前に配付された)。

 問題の土地は新幹線用線路建設の為JR九州発注の建設工事を請負っていたゼネコンの職員用社宅が建っていた所である。土地は宇土市の所有地であった為、新幹線開通(熊本〜鹿児島)後建物は解体され、前記開発公社が「宇土駅前土地区画整理事業」として開発、宅地造成を行った。初回土地分譲は、市の公報紙で広く希望者を募ったが、応募は多くなかったという。

 平成12年9月この分譲公募に応じて312坪中57号線に近い角地95坪をTさんは購入したが、購入価格は坪当り25万9千円であった。残り217坪は買い手がつかないまま持ち越されていたが、数年前宇土市が「商業地として整備していく」と表明。道路も歩道部分を含めて改装された。

 平成24年3月頃、宇土市内でアパートなどを経営する某さんが開発公社に「遊んでいるなら勿体ないから売ってくれないか」と申し入れている。某さんが示した坪単価は「20万円前後でどうか」というものであったが、担当課長は「今、他の人と交渉中なのですぐ返事は出来ない」と回答した。24年当時の周辺土地価格は「20万円前後が妥当」と云われており、某さんが示した価格は決して安いものではない。

 所が摩訶不思議、某さんが購入希望を伝えた2カ月後、開発公社は樺村不動産開発に売れ残っていた217坪の宅地を坪単価11万9千円で売却したのである。公用地や建物を売却する際は必ず公募を経なければならないと規定されているのに、である。聞けば中村不動産開発の代表取締役中村司氏は「元松後援会の有力支持者」と云われる。常々清廉潔白を自称する元松茂樹市長だ。外郭団体とはいえ腹心の副市長が理事長を務める開発公社に「俺の選挙参謀だ。安くしてやれよ」など口が裂けても云わない筈だ。

 役所や公社というものは面白い存在で、自分の懐が痛む分には敏感だが、役所が損害を被る案件はいささかも心が痛まない様である。



土地開発公社理事長
議会答弁のこのお粗末さ
 12月市議会で問題となった宇土市土地開発公社が随契で不動産業者に売却された217坪の簿価は54、466万円余であったと云われるが、それが事実であれば中村不動産に半値以下で売却した事になる。毎年発表される路線価格では「あそこは9万円前後ではないか」と某不動産業者は語る。路線価格は、飽く迄課税対象としての評価であり、実際に売買される実勢価格とは懸け離れたものである。リーマンショック以降全国的に地価の低下が続いているが、問題土地周辺は宇土駅からの利便性も良くなっている為「値上りして当然」の土地である。実勢価格を大幅に下回る価格で売却した責任を追及された同公社池田信夫理事長(副市長)の答弁が振るっている「民間業者が家を建てられる状態にして分譲する価格が坪18万円だと思われる。分譲するまでには上下水道の整備、広報等の経費もかかると思われる。従って公社が払下げた金額坪12万円は妥当な価格だ」と珍答弁を行った。
 恐らく全国的に見ても、地方自治体が所有地を払下げる際、その後の個人や業者が必要とする費用を考慮して価格を決める事など有り得ない現象であろう。競争入札を経ず随契で払下げた点についても「地方自治法は競争入札が原則と思うが、例外として随契による売却方法もある」と詭弁を弄している。確かに例外規定はあるが、この土地の場合全く適用外である。即ち、「情実をもって特定の業者の利便を図った」と断定される行為である。民間でも同じと思うが、売り値は買った側が算定するのであって、売り手が先々の分譲価格まで案じてやって売買は行われない。10万で売れると思って8万円で買った商品が7万でしか買手がつかなったら業者が損失を被るのは自由経済社会の常識である。逆に13万円で売れたら「見る目があった」として儲けが転がり込む。

  池田理事長は「上下水道の整備…」など心配して上げているが、先述している通り、同地は元社宅が建っていた訳で、既に当時から上下水道は整備されている土地である。公社が更地にして最初に分譲(払下げ)したT氏の土地代が25万9千円であったなら、以後売れずに"塩漬け"になっていた期間の金利等を勘案した場合27万で売却しても高いとは云えないだろう。不動産屋が当然行う分筆費用や、広告代まで推し測って売却価格を決める自治体など全国何処を探したって出て来ないであろう。「明らかに不正売買であった」と本紙が断定する所以がここにある。宇土市議会も当然果たすべきチェック機能が全く働いていない現状を宇土市民は何故怒りの声を挙げないのか。こんな宇土市が衰退して行くのは理の当然であろう。



小規模多機能ホーム
「よんなっせ」建設強行
市は事後認可の怪
 今春宇土市神馬町に開設される小規模多機能ホーム「よんなっせ」の認可について「元松市長と癒着がある」との噂が根強く市民の間で囁かれている。通常この種の施設は各自治体の「高齢福祉課」の認可を得て建設が始るものだが、「よんなっせ」は施設が完成してから認可されている。

 同施設は宇土市内で手広く高齢者用有料住宅や、デイサービス施設を展開している温心会が開設を予定している介護施設である。問題となっているのは、同会が市からの指定前から施設の建設を始めた所にある。宇土市は、平成25年度介護事業計画になかったにも拘わらず昨夏施設の建設が始ったのを知りながら、何ら防止手段を取らなかった。一連の流れを追ってみると施設の建設を知った福田市議(共産党)が25年9月議会で「市の介護事業計画にない施設が建設されている。指定はどうなっているか。国の方針は計画にない施設の指定申請は拒否しなければならないとなっている」と元松市長に質した。元松市長は「まだ申請がないのではっきりは答えられないが、申請があってもルールに則って対処します」と回答した。だが、建物が完成した後の3月議会で元松市長は「公募指定の告示をしていなかったので申請があれば指定は拒否出来ない」と突然変異した。まるでウイルスである。又元松市長は「事前に相談がなかったので建設できないという事を指導することが出来なかった。今さら公示しても建物は出来上っており、指定を拒否できない」(うと民報)と珍答弁を行った。

 温心会グループの田上政人氏は元松市長の有力後援者である所から「事前に元松市長の了解を得ているのではないか」と当て推量が囁かれる始末だ。施設はいつでも開設出来る状態だが、3月議会の質問に元松市長がびびったのか、指定はまだ行われていない。温心会側は5月開設を目指していたが先が見えなくなり、3月末現在の情報では6月に開設出来るかどうか微妙な状態にあるという。同業他社の某氏は「温心会は手を展げているが宇土市内の介護事業は過剰気味だ独断専行過ぎる」と語る。



 発行遅れが続いているが5月号で追っつきたい。御寛容の程願います。県空手道連盟の報道は前号だけのつもりで、走り書きになったが、発行後「実態はこうだったのですか」の声が多く寄せられた。多くの関係者が家入氏らの言動を信じていた事が分かったので、正しい実態を知って貰いたいとの思いから2面分の特集となってしまった。高体連の反体制的動きについては、近々全空連から説明を求めて来熊するらしいとの情報が入った。自分達の欲望を果す為高校生を引きずり込むのは許されるものではない。空手業界も意外と縦社会を形成している。師弟関係、出身校等から自然に生れるのであろうが、問題が生じた時、仲々一本化が難しい様だ。県警I警視については数人に聴いて確かめた。人間日頃の言動が如何に大切かを自問自答した案件であった。宇土市元松茂樹市政のお粗末さを書いたが、これは氷山の一角、各種事業の発注で特定の業者との癒着が噂としてよく聞くが、最近業者側も利口になってボロを出さなくなった。元松氏が初めて市長に当選した時は、前市長に比べて新鮮だったが、一期で評判を落とした。選挙の報復人事など何れ報道したい。
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