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12月・1月合併号掲載 : いじめ自殺予告と文科省の無能な対応
全国の小・中学校でのいじめ報道が絶えない。
いじめる側といじめられる側の生徒以外にも被害が波及している。「いじめを隠した」「いじめはないと嘘の報告を行った」としてメディアと世論の批判に哂された校長が自死し果てた。
「いじめ」を文部科学省の大臣宛に手紙を書いた。被害者≠煖盾ス。この事が大きく報じられると第二、第三の被害者から文科省宛に手紙が寄せられるようになった。
担当大臣は愚かにも、この様な類の手紙を信じ、テレビや、新聞紙上で「自殺を思い止まり強く生きよう」と呼び掛けた。笑止千万な行為である。考えてもみてほしい。たかが、小中学生が学校教育の最高責任部署が文科省であると分るのであろうか。
仮に知っていたとしても、手紙を書くだけの心の余裕があるなら自殺に走る事はないであろう。自殺予告を行う不埒な輩も出て来た。
予告された東京豊島区の学校では徹夜で警戒に当ったと報じられた。その結果は何事も起きなかった。やがて手紙の主の一人が特定された。三十代の女らしい。世に謂う所の愉快犯である。
その後、この種の報道はなくなった。事態が鎮静したのではない。関係者が無用の公表を行わなくなったからである。
各メディアも一斉に自粛に走ったのか過剰報道はなくなった。筆者は、この一連の出来事を「ブーム」と呼ぶ。いじめは昔からあった。いや、いじめか、単なるふざけかの線引きは難しい。そのいじめが原因≠ニされる児童が自殺した。
以後の経過は皆さんもご存知の通り「日本列島いじめブーム」が湧き起こったのである。先頃、文科省は「被害を受けた子がいじめにあったと感じた行為がいじめに当たる」といじめの定義を発表した。
誠におかしな判定基準である。人夫久の性格は異なる。繊細な神経を持った児童も居れば太っ腹の児童も居るであろう。同じ言葉を投げられても受ける側は一様ではない。
剽軽な児童が軽い気持ちで冗談を云う。云われた児童が教員に「A君からこう云われ私はいじめにあいました」と告げられたらどうなるか。傷つくのは教員から注意を受けるであろうA君の方である。
悪態を吐きながらも、すぐ仲よしになった昔の学童を懐かしく思う昨今である。
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