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コラム [毒含流行論]
 

12月1月合併号掲載 : 国会で首相に“国語テスト” 民主・石井一の愚行


先の終盤国会、参院の予算委員会で民主党石井一副代表の言動に驚かれた読者も多かったのではないか。筆者もテレビニュースで石井氏の発言の様子を知ったが、近年これ程不快感を抱かせた国会中継はなかった。

石井氏は、月間文藝春秋昨年11月号に寄せた麻生首相の「強い日本を!」の中から12の漢字や熟語を書いたボードを示しながら「貴方の漢字力からして誰かが書いたとしか思えない」といった主旨の発言をした。

首相の漢字力とは「未曾有・踏襲」の誤読を指している。確かに一国の首相が「みぞゆう」「ふしゅう」では様にならないが漫画大好きの上、新聞も読まない人であれば「その程度の語学力か」でいいのではないか。首相の国語力を試す暇があったら他の国事を糾すべきであろう。案の定と云うべきか麻生首相は笑みを浮べたまま「皆さんが読みにくいのは『身を窶し』位ではないか」と軽く躱してしまった。

予算委員会では何を云ってもいい事になっているらしいが、この日の石井氏の一連の行動は児戯に等しいものであった。苟も一国の首相に対して、国会議員、それも民主党の副代表を務める人物が、あの様な言動に走るとは民主党も落ちたものである。そこには、何が何でも時期総選挙で政権を掴みたい民主党の執念があるようで、目的の為なら手段を選ばないさもしさを感じた。

漢字の誤読と思い込みは殆どの一般人にもあるのではないか。筆者も幼い頃、外科を「がいか」と思い込み、中学校の頃何かの拍子に「げか」と知った。自分なりに内科(ないか)だから外科(がいか)と思い込んでいたらしい。順風満帆・判官贔屓(じゅんぷうまんぽ・はんがんびいき)は比較的早く(じゅんぷうまんぱん・ほうがんびいき)と正しく読めるようになった。

特に判官贔屓については、県警の警部クラス、市議、市・県の課長クラスの人との会話の中で「はんがん贔屓で……」と云われる事は多い。いい年した相手に「それ間違ってますよ」とも云えず当惑する事がある。

予算委員会で識字を試される首相も情けないが、試す側のえげつなさ、何でも政争の具にしようとする姿はさもしい限りだ。自国の首相に対して取るべき態度ではなかった。

 
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