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* コラム [毒含流行論]
2010年1月号掲載
元秘書ら三人起訴 小沢幹事長・重圧続く

 泰山鳴動して鼠三匹。小沢一郎民主党幹事長の政治資金の不透明な動きに対する検察の結論を比喩すればこの泰山鳴動…が最適か。地検特捜部に強い記者達の間では、当初から「小沢を政治資金規制法違反の石川の共犯として立件するにはブツがない」というのが定説であった。あとは石川議員の自供頼りと思われたが、口は固かった。各メディアの報道からの感触だが、どう考えても石川議員らの資金操作は「原資出所隠し」以外に考えが及ばない。又、小沢幹事長の日頃の金銭感覚から見て億単位の金の動きを「全く知らなかった」では済むまい。陸山会の元会計責任者大久保被告共ども小沢幹事長が虚偽記載について一切タッチしていないと供述しているらしいが、常識として考えられない事である。
  所で、地検特捜部の事情聴取を無視し続けた小沢幹事長が一月二十三日検察の事情聴取に応じた。奇しくも故松岡利勝代議士が「やまりん献金疑惑」で検察の事情聴取に応じたホテルニューオータニのスイートルームであった(松岡代議士の時は小紙のスクープ)。四時間半程の事情聴取は「参考人」ではなく「被疑者」としての聴取であった。解放された後小沢幹事長は同じホテルで記者会見、自身に疚しい所は一点もないと強気を見せたが、語気は年明けの記者会見と比べて弱気が読みとれた。各メディアはこの聴取で小沢氏からの事情聴取は終ったと見ていた節がある。所が一週間後の三十一日に再度の聴取が行われた。これは完全にメディアはノーマークで、事情聴取が終って数時間後に「再聴取」の報が流れたという。検察に隠し球があったかどうかは不明だが、その後の小沢幹事長の発言は明らかにトーンダウンしている。
  検察トップの異動は三月に予定されている(任期は六月迄)が、既定通りに運ぶ様である。検察と何らかの取引きが小沢幹事長の間であったかどうか。
  小沢は幹事長続投を表明、骨なし民主党議員らは双手を挙げて声援を送っているが、これで参院選に臨んで勝利すると思っているとしたら救いはない。検察は「捜査完了」宣言はしていない。裏献金の途が閉され、残るは脱税(所得税法違反)で、これは確証を握っていると見てよい。
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