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* コラム [毒含流行論]
2016年1月号掲載
大西市長公表
市電延伸の愚策

 昨年12月議会で大西一史市長は、市電延伸について構想を表明した。
 市電の延伸については幸山市長時代、水道町から藤崎宮前を検討された。藤崎宮前で電鉄と結節する構想であった。何の事はない左前の電鉄救済策と一部識者の不評を買った。しかし、幸山取巻の筆頭、学園大坂本正学長らがこの案を支持した(今でも市電延伸に熱心)。この時推進派が“成功例”として挙げたのが富山市の「富山ライトレール」である。幸山市長は現地見学として、例の女秘書を同行して富山を訪れた事は小紙で報道済みだが、その後県警など関係機関の反対、電鉄の経営不振も重なってこの案は自然消滅したかに見える。

 大西市長が掲げる健軍から秋津町まで。九品寺~産業道路~県民運動公園。田崎~城山方面等がある様だが、はっきり云ってどの路線を延伸しても「費用対効果」は低い。水道町~藤崎宮間の延伸は幸山氏が初当選して間もなく「7ルートを検討して採算が取れる路線を延伸する」というものであったが、採算に見合う路線はないと結論された。所が2期目に入ると前述藤崎宮前迄の延伸が出て来たのである。今回も大西市長就任1年目で構想が浮上した。2人の市長の背後に巨大な利権を狙う誰かが居るのではないか。路線を延伸させ「赤字が累積する」と民間に譲渡させるとかエトセトラ。

 水道町~藤崎宮間の延伸が話題に挙った時も小紙は「赤字必至」として批判した。富山ライトレールの成功も「並走している県道のバス路線を全廃した結果の賜物」と論じた。仮に秋津町の延伸が実現しても、同じ県道28号を走る産交バス、熊本バスなどのバス路線を全廃するのは不可能に近い。水道町~藤崎宮延伸で試算された費用は120億円。健軍~秋津でも同程度かそれ以上の費用が必要となるであろう。神水~県民運動公園となると数千億円に上るのではないか(素人だから分らない)。

 検討に上った各路線の朝夕を中心とする渋滞問題をどう解決するのか。幸山市政12年間で、公約にも掲げた渋滞問題は全く解決されないままだった。現在の道路に電車軌道を敷設した場合の車の渋滞増は目に見えているではないか。市電の延伸には大反対である。
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