熊本県民新聞 WEB版
本紙の信条

トップページ
コラム
バックナンバー


■ 発 行 所 ■
〒861-8034
熊本市東区八反田1丁目14-8

発行者:福島 宏

電話:096-234-8890
FAX:096-234-9883


*
政令市移行準備不足露呈
過労死ライン月80時間超10名
元政令指定都市推進室職員
 熊本市が労働基準法を無視して、多くの職員に超過勤務を強いている事が本紙の調査で判明した。今回は紙面の都合上「政令指定都市推進室」と「子育て支援課」に絞って報道するが、他の部課でも同様な事案があり、幸山市政の人事管理の杜撰さが露呈されたと云える。見出しの「月間超過勤務280時間」は、正確には282時間である。本紙の情報開示請求により判明した政令指定都市推進室(現区政推進課)A職員の本年3月の超過勤務時間である。情報開示は「個人のプライバシー」を理由に氏名ではなく算用数字の123で示されたが、ここではABを使用する。政令指定都市推進室(以降推進室と呼称)には当時室長以下15名が勤務していたが、Aの282時間を筆頭に218時間1名、201時間1名の計3名が200時間を超えている。過労死ラインとされる月間80時間超は7名に上り、200時間超を併せると職員のが過剰な超勤を行っていたのである。労働基準法では1日8時間、週40時間で、月に直すと180時間前後である。但し地方公務員については労基法第36条の適用外で超勤の規制はない。勿論政令指定都市移行を前に関係部局が多忙であるのは容易に想像出来るが、政令市移行は数年も前から判っていた事、熊本市幹部らの管理不充分としか思えない。

 昨年度の熊本市職員の残業代(超過勤務手当)は総額35億強と云われる。超過勤務手当(一人当たり)は昨年度は1時間平均2608円である。最大超勤のA職員にこれを当て嵌めると73万5千円余、これに正規の給与30数万円を合わせると実に100万円以上の月収となるのである。市民の間から「熊本市の職員で月収60~70万円貰っている人がゴロゴロ居る」と不審の声が挙るのも宜なるかな、である。この超過勤務について熊本市人事課は「御指摘の通り超過勤務が多いのは確かです。各部署について適正な方法をとるように指導はしているが、総定員減の中でひずみが出ている事は確かだ。関係部局と是正に向けて検討している」と回答した。当方が指摘したのは労基法第36条、通称「さぶろく協定」を組合と締結なしの残業は「労基法違反」である。人事課は「協定は結んでいない」と認めたので取材を進めた訳だが、前述の通り、地方公務員には36条の適用がないと知り、本記事を部分的に訂正している。



月残業80時間超過
子育て支援課17名・子ども政策課3名
"残業代稼ぎ"でローン支払いも
 上記政令指定都市推進室には及ばないが、子育て支援課も過労死ラインと云われる月間超過勤務(時間外勤務)者が48名中17名、全課員のを超えているのである。

 当時の同課々長は「そこまで居るとは知らなかった。政令市移行による区役所の新事務の手配等で多忙であったのは確かだが、指摘の様に時間外勤務ゼロの人が居る反面80時間超が17名も居るのは仕事の配分に課題があったのかもしれない」と話す。48名中17名が80時間を超えて勤務している反面で、16名が超勤ゼロである。同課に居た職員の一人は「うちの課は子供手当ての支給窓口があります。受給者の中には少しでも遅れると怒鳴り込んだり、窓口で騒ぐ人が居るので対応に苦慮しているのは確かです」と語る。窓口でギャーギャー騒ぐ連中は子供手当てをパチンコで遣ったりしている輩である事が多い。だが見逃せない内部告発もある。

 同課の職員の複数が「残業代で子供の塾費用を捻出している」とか「車のローン分を残業で稼いでいる」と放言している事である。告発者は「昼間手持ち無沙汰で不用な書類に目を通しているが、勤務終了時間が近付くと急に活発に動き出し、時間外勤務を申請している姿が見られます。数名は居ます」と断言する。この点も元課長に突っ込んだが、「多分そんな事はないと思いますが、若し事実であれば許されない事です。関係者と相談して対処したい」と語るが「部下とトラブルを起こしたくない」症候群係長、課長が幸山市政下で蔓延して現状ではどれほどの効果的手段が講じられるかは疑問だ。

 又、同課が窓口になっている「寡婦貸付金」の大量焦げ付きがある。同制度は夫と死別したり、離婚したりして女手一つで子育てに励んでいる母親を扶けようと設けられた制度で、子供の就学資金や通院費用などを貸付けるものである。返還は子供の就学が終わってからであるが、これが借り得?とばかり返還に応じない母子家庭が増加、昨年度末で未回収金は50%超となっていると見られる。しかも借入れ申請の際の保証人に生活保護受給者が多く居るのも問題であろう。担当課長は「申請時に保証人の収入など調べるようにしているんですがねえ」と云いながらも生活保護受給者が保証人になっている事実を認めた。若しこれが一般の金融機関であればどうだろう。先ず申請自体が受理されない筈であり、回収も厳格に行われるであろう。市の職員にとって貸付金が戻ろうと焦げ付こうと自分の懐には全く響かない、返還を強く求めて相手とトラブルとなるより毎日が楽しく過ごせればよいのである。貸付金が税金という公金から出ている意識など微塵もないのだろう。聞く所によると、これらの母子家庭を市に口利きするのは公明、共産の市議が多いとか。子育て支援課は新年度から子ども政策課と合わせ子ども支援課になっている。



労働基準法適用されず
地公法利点生かす
 労働基準法第36条では労働組合の過半数の代表者と使用者は書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては第32条、第40条の労働時間又は前条の休日に関する規定にかかわらず、その協定が定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。以下略。と謳っている。これを通称「さぶろく協定」と呼ぶ。筆者は「市職員の過重労働と残業稼ぎ」の情報を得て取材に動いた。当然人事課にも聞いた。この時聞き方が悪かったのか、答え方が不味かったのか「一般公務員は対象外です」と云ったらしいが、それを聞き落としていた。公営企業などはさぶろく協定締結が定められており、一部を除いて労使協定が結ばれている。その協定で決められた超過勤務は「明らかに違法」(県人事委員会)であるが、市の見解は「管理者の許可を受ければ適法」と回答。同じ問題を市職組の書記長にも尋ねた。「さぶろく協定は結ばなければいけない。組合としては要求はしているが出来ていない。超過勤務時間の多いのも耳にしていて縮減について考慮中だ」と、未だ締結のない一部の職場について回答したのを早トチリして本面を書いたのである。正に無知の極みであった。



政令市移行準備不足露呈
過労死ライン月80時間超10名
元政令指定都市推進室職員
 幸山市政が末期状態に陥っている。度重なる職員の不祥事に、幸山市長は自身の減給処分などで対応して来た、と云うより市民の目を欺いて来たのである。事故の度に幸山市長は職員に訓示を垂れたが効果が上がるどころか不祥事は悪質化し増加の一途を辿っているではないか。この一連の不祥事について幸山市長は「前の市長(田尻靖幹を指す)が裏口採用した時の能なし職員が起こしている」と身辺の者に愚痴っている。果たしてそうであろうか。筆者の視点は違う。不祥事の根源は幸山氏自身にありと断定する。公的には、自分のお気に入りを集めた戦略会議で政策を決定し、各部局に下す。参加出来ない幹部達は「自分達で決めたのであれば自分達だけでやればいいだろう」と決定事項を無視する。勿論自己保身に長けた役人だ、そんな思いはおくびにも出さない。だが、かつて星子敏雄市長時代には上意下達がきちんと行われ、職員の間には緊張感があった。幸山市長下で一番欠けている部分だ。あと一つ、幸山市長と当時の秘書係長池田由加利とのW不倫問題がある。本紙が二人の関係をスクープ以来、急速に職員達は幸山蔑視が始まった。第一報で一般市民は「まさか」と受け止めたが、市職員は「やっぱり」であった。この問題、次号から再検証してみる。職員の士気の低下と市民不在の自己中的言動は、本号一面の超勤稼ぎにも表れている。
 表題の「肉の大塚㈱」問題は後述する様にトンネル会社ならぬ「トンネル協議会」を作って株式会社たる民間企業2社に毎年7千万弱の企業支援金を支払っているのである。この肉の大塚は自社直営の温泉施設「ぶぶたん」(東区戸島)の水井戸、温泉井戸の両方からの取水配管を流水量を計るメーター手前から受水槽に注水する様に違法配管していた(熊日平成24年6月12日報道)。同温泉は平成10年に開業したが、この時の建設、施行は大手の西部電気工業㈱であった。違法配管については、当時の事業部長の交替時期と重なっていて、前事業部長は「自分時にその様な違法行為はなかった」と明言している。後任の部長にしても「こんな、みみっちい行為を手伝う筈もない」というのが業界の見方である。一部の業者の間では「県外の某業者がやった可能性がある」とも、「個人業者が肉の大塚のHに頼まれてやったのではないか」と語るが、大塚側が事情聴取に応じない(市下水道局談)ので真相は闇の中である。



熊本市民の目を欺く為の組織
「熊本市雇用開発協議会」
 「熊本市雇用開発協議会」の存在は、関係する市議以外は、市議と雖も知られていない存在ではないか。ましてや熊本市民が知る機会は殆どないだろう。

 同協議会は平成5年1月27日設立、目的として「就労の機会が阻害され、日常生活に支障をきたしている市民の雇用の安定と就労機会の拡充に努めることを目的とする。組織は理事長1名(市農水商工局長)副理事2名、理事10名、監事2名。業務内容は熊本市食肉センターにおけると畜解体業務で、解体技術員18名、内臓洗技術員15名(内臨時職員6名)の計33名。これに対する本年度予算1億6588万円を計上している。この金額はそっくり人件費(1億5300万円)である(他に細目があるが省略)。名目は「食肉センター委託料」である。次に「熊本市食肉センター業務委託」がある。1「委託業務の名称」食肉センターと畜解体補助業務委託。2「業務内容」O―157等を予防する衛生対策として、解体作業中に発生する汚物の除去、搬出及び、作業現場の洗浄等の衛生作業。3「契約」①契約先 熊本市中央区南熊本2丁目3番1号熊本中央食肉市場株式会社 代表取締役 大塚唯雄。熊本市中央区南熊本2丁目1番5号 熊本県畜産全荷受株式会社 代表取締役 柏野照廣。②契約金額(平成24年度)1社あたり34、313、000円。以上となっている。この2社に対する支出について、ある有識者は「協議会は熊本市からの金錢受入れを行う場合法人格が必要となるが、協議会に法人格はない。広義で見れば違法行為と云えるのではないか」と語る。この問題について宮原農水工局長に聞いたが「違法ではないし、企業支援金ではない。食肉センターの赤字は毎年4億円を超えている」と語った。だが、歴代同職にあった人物の一人は「あれは明らかに企業支援金だ。市が公金を遣って民間企業を支援する事は出来ない」と断言、他の関係者も公金による企業支援であると認めている。この「熊本市雇用開発協議会」(以降協議会と称す)が設立された経緯の概要は別欄の通りである。

 熊本市食肉センターは昭和13年に市営と畜場として開設。昭和40年に全面改築された。と畜場の建物と施設は熊本市が建設、運営はと畜業者に任せる型で再発足した。しかし、平成に入った頃から隣県の宮崎、鹿児島両県で畜産業が盛んになった。処理施設などハセップ(HCCP)の認証も近いとされ、熊本をリードしている。施設の老朽化と処理料も他施設に比べて安く、経営は赤字続きという事もあって平成18年と畜場の廃止を決定した。しかし、利用業者らは他の施設(菊池市七城町在、経済連運営の熊本畜産流通センター)の料金が高いとして市の提案を拒否、以後今日まで利用者と、と畜場運営会社、熊本市の利害が対立、昨年度市が計上していた畜産流通センターへの出資金などを含む12億円は年度末まで執行出来ず流れる失態を起こしている(本紙平成23年12月号で「実現不能」と報道している)。



食肉センター職員救済が目的
熊本市雇用開発協議会
 前にも述べた様に熊本市雇用開発協議会は平成5年に設立された。当時食肉センターの運営は斜陽傾向にあり経営は赤字であった。熊本市としては将来的に廃止の方向性にあり、処理場の改築、他地区への移転は考えられなかった。しかし、と畜業者や利用者から現在地の存続を強く求められた。そこで動いたのが村山義雄市議であった。と場関係者、部落解放同盟をバックに強大な力を有していた村山議員らの発案で"斜陽企業の公的支援"であった。しかし特定の民間企業に公金の支出は議会でも承認は難しい。そこで考えだされたのがトンネル組織の構築であった。熊本市が村山議員一派のゴリ押しに屈した結果、考え出されたのが同協議会で、主目的は中央食肉市場株式会社の存続と従業員の生活保証であった。当時を知る関係者は「食肉センターに持ち込まれる肉牛などが減り経営が危ぶまれていた。村山議員達は公営企業と同じではないかと変な理論で救済を要求した。当時、市長以下村山議員に逆らえる者は誰一人居なかったので要求丸呑みした。設立当初の支援金額は覚えていないが、現在より少なかったのは確かだ」と当時を振り返る。熊本市(農水商工局長)はこの支援金を「雇用開発協議会への支出であり、同協議会から2社に対し業務委託を行っているだけだ」と、企業に対する支援金と認めないが、歴代関係者は、はっきりと「企業支援金です」と認めているのである。

 熊本中央食肉市場㈱は昭和39年8月に設立、現在の役員は取締役矢野昭三、山下久、大塚唯雄、内川正憲、和田雄司、甲斐誠一の6氏が就任、代表取締役は大塚唯雄氏である。この大塚氏、前にも記した様に温泉施設の水道配管を違法に設置して、下水道料金をごまかした会社の代表取締役であった。時効を除く4年間の下水道使用料は5、660万円で、これは完納済。過料の1億1、300万円も、当初は「高過ぎる」としていたが後に受け入れ、9月末現在2千数百万円は納入済である。こうした違法行為を行った人物が代表取締役を務める企業に業務委託を継続しているのは如何なものであろうか。直ちに契約を解除すべきではないか。ついでに肉の大塚㈱について書いておく。

 大塚氏自身「悪い人間ではなく牧場経営が一番肌に合っている」と常々云っている様な人柄らしい。下水道問題が表面化して何かと支障があるのだろう、近々代表取締役を長男浩文氏に譲ると見られている。同社の取締役のH氏は元銀行マンの遣り手、大塚氏が「引き抜いた」と云っているが「在任中の銀行で問題を起こした」との声も聞かれる。現在肉の大塚は「悪徳税理士のT、このHとあと一人のSとで回っている」とは裏事情に詳しい人物の評。牧場と食肉に絞っていれば借金を背負う事はなかったが、病院買収、新築に加え、ゴルフ場、ホテル経営と手を拡げ過ぎた様だ。食肉センターは命綱と云える存在となっているとは陰の声。



 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が、愈々地方組織から脱皮、国政に向けて舵を切った。行き当たりばったりの感が否めないが、橋下氏個人の異常なまでの人気の高まりに本人が乗ってしまった。当初は大阪都構想が根幹にあったが、中央政党がこれまた過剰反応を示して阿った結果橋下氏と取巻き連中までもが舞い上がってしまった。

 熊本衆院一区選出の松野頼久代議士が維新に入会するのではないかとちらほら噂に上り出した8月末か、9月初旬、松野頼久氏に電話で話を聞いた。筆者「元気で活躍している様ですね」松野「はいお陰様で何とかやっています」「所で最近熊本で貴方が維新の会に入るとの噂があるが」「はい、そのつもりでおります」「それで選挙は戦えるんですか」「難しい面もあるかと思いますが頑張ります」「後援会の了解はとっているの」「はい、主だった幹部には話しています」「私は夏頃まで貴方が優勢と見ていたが、ここに来て木原が優位になったとの声が多くなった。連合などの支援は望めなくなった訳で、今度の選挙は松野個人の資質が問われる選挙になると思うよ」「分かっております。あとは全力でやるつもりでおります」と略々この様な遣り取りであった。

 これまでの衆院選で松野氏は一回目の落選以後は圧倒的に自民候補を引き離して勝利して来た。民主党政権が迷走を始めた昨秋頃から一部識者の間で「今度は木原優位ではないか」の声を聞くようになった。確かに方向性が定まらない野田政権を見ると木原優位と見ても当然であろう。しかし、筆者は「それでも熊本一区は松野を破るのは容易ではないだろう」と見ていたのである。松野氏が民主党に居る限り木原は太刀打ち出来ないと予想していた。しかし、日本維新の会が正式に発会結党した国会議員団の中心は松野頼久氏であった。現在9名の国会議員団であるが、選挙まで既成政党からの離脱者が参加してくるかもしれない。みんなの党も維新の会に色気を見せているので選挙協力の可能性もゼロではない。維新の会としては東国原・中田氏ら政治経験者も立候補させるであろう。その外は維新の会子飼いの塾生、それも資金力を持つ者しか公認しない様だ。知名度も地盤も持たないこれらの候補者を選挙民が選ぶであろうか。4年前は無名の政党であった日本維新の会、筆者は「寄木で家を建てる」に等しい暴挙としか思えない。松野氏にとってはこれまでにない試練となるであろう。



烏合の衆と化すか
国家観なき橋下維新
 筆者の橋下徹観、大阪維新の会等の知識は全てメディア情報を基にしている。それを自己流に理解し静観していた事は前にも書いた。しかし、橋下氏らが国政進出を唱え出した頃から大阪維新の会と橋下氏に疑問を感じだした。確かに橋下氏は頭が切れるのでテレビ討論や、記者会見等での質問等には即座に反応、歯切れよく回答、若しくは反撃する。弁護士としてテレビ出演で身に付けた所もあるだろうが、橋下氏が持つ天性の物であろう。

 部落の出身を隠す為「はしした」を「はしもと」にした経緯も週刊誌で暴かれた。今でこそ"部落差別"はほぼ消滅したが、橋下氏の少年時代は根強い差別心が人々にあった。そうした境遇抜きに今の橋下氏は語れないと思う。社会の抑圧を自力で破った自信が現在の橋下氏を生んだと云っても過言ではないだろう。それ故か橋下氏は機を見るに敏、時流を読み、どう動けば自分を利するかに長けた人物と見る。橋下氏の発言は概ね保守的である。維新八策にもその意は謳われている。だが一番の欠陥は主義主張に一貫性が見えない事だ。維新旋風に乗じて国政を目指すが、候補者選びで先ず子飼いの府、市議団と国会議員団が対立、崩落が始まると見ている。

先の7・12水害で白川漁協は被害を受けたと大津町などに陳情、救済を申し入れているが坂田氏の最大の狙いは前にも書いた吉原橋だ。 坂田氏は知人に 「改修を請け負った会社が何処か某県議なら分かる筈だけん聞いてくれ」 と頼んでいる。 坂田氏は漁協が何かの心得もなく、勿論事務、各種補助金申請が出来る筈もなく、一切は都崎女史が采配しているが、都崎氏を漁協に入れたのは坂口氏である。




〈15〉
男のおしゃれはNHKから?
 先ず、この記事についてNHKに問い合わせはしていないとお断りしておく。即ち完全なる私見である。
 皆さん、男(女でもいい)のおしゃれの流行を何で知りますか。又は感じますか。ファッション雑誌で知る人、テレビで知る人、道を歩いて感じる人等、人夫々に御洒落(この漢字もあるがあんたの漢字は分からんの声もあるので平易におしゃれとする)を知る機会は異なるだろう。無論おしゃれに無関心な方々も多く居て当然。そんな方は以降を読んでも無駄な時間となるので他にお進み下さい。

 前置きが長くなったが、筆者は男のおしゃれの源流を突き止めたのである。それは昨年の3、4月頃のこと。NHKのニュースを視ていて男性アナのネクタイがストライプであるのに気付いた。その頃までは紺やエンヂ色を基調にした無地や、小さな柄の集合体で、離れて見ると無地に見えるネクタイが主流であった。勿論NHKのアナやキャスターも同様であった。ストライプ所謂縞模様に何故惹かれたのか、何故印象に残ったのかは筆者自身も分からない。以後気を付けていると夏から秋、冬にかけてストライプネクタイ着用のアナが増えていった。そして今秋、殆どのアナ、キャスターがストライプ模様のネクタイを着用するに及んで「自分の目に狂いはなかった」とここに発表する次第である。まだ"残り物"の無地を着用している局アナも居るが、面白い事にこの流行(と云っていいかどうか)が民放にも及んでいる事である。ネクタイ業者の深慮遠謀でNHKのコーディネーターを抱き込んだのか、ネクタイ売場で推められるがままに買ったのか。この流行で筆者が大切に保存していた十年前のネクタイが出番となったのは嬉しい事だ。


前号警察官友の会
こぼれ話 福岡県警
 前号一面「熊本県警察官友の会」報道記事の中で「会計帳簿は副署長、担当課(係)長が異動の際処分される」と書いたが、これは過ち。帳簿は新任者に継がれ「一冊使い切るまで使用する」と現役の担当者から注意を受けた。その通りで、廃棄される領収書綴りと勘違いして書いてしまったものです。記事の反響は賛否相半ばするといった所か。編集後記に書いた様に「署長交際費が鼻クソ位で、出費が多い署長を友の会が扶けて相当」「よく書いた、署長に渡る金の半分以上は私的に使われている」が代表的な評価であった。所で前号では書き漏らしたが、友の会の存在を電話で問い合わせた際の福岡県警の反応を書く。

 あの記事を書くに当たって九州管内の各県警本部や友の会に問い合わせた。鹿児島県は県警と別の場所に友の会本部があった。大分、宮崎は県警内に事務所が置かれ、会費も各県で異なっていた。で、福岡県警本部だ。一応代表電話にかけると「県民相談室に繋ぎます」と云って同室に繋がった。「警察官友の会若しくは、これに類する組織がありますか」と対応した女に聞く。するとその女は「あなたの名前と電話番号を云って下さい」と云うので筆者の個人名と県民新聞の電話番号を伝えた。「今調べますから」と云ったまま数分が過ぎたので当方は一旦電話を切った。十数分して再度かけると男が出て「今調べていますから」と突っ慳貪に云う。その直前にかけた電話が何故か切れている。これではまともな回答は得られないと判断「本部が答えなきゃ各署があるさ」と福岡県内の某署に電話した。担当者はこちらの名前も聞かず愛想よく「福岡の場合は『福岡県警を励ます会』があります。県下各署単位にあり、個人会費は1~2万円、法人は3~5万円の様です。会計報告は年1回開かれる公安委員会の場で行われます」と回答してくれた。この回答を受けた後、先の本部に架電すると今度は年配の男性が電話口に出た。「はい与田(はっきりしない)です」と名乗ったので「先刻電話した福島ですが、回答に大変難渋されているようですのでもう結構です」と伝えると「ああそうですか」と云ったので電話を切った。このお粗末な対応は一体何なのか。当方が伝えた電話番号で即県民新聞を割り出し、ネットで調べたのは想像に難くない。県民新聞と知って邪気が回ったのか。所轄署で聞かれるという知恵は働かなかった?。






野田政権誤算
国有化宣言が中国を挑発
 日本固有の領土尖閣諸島を巡って中国の横暴が続いている。これは偏に長年政権にあった自民党の責任である。中国の反発を恐れた事勿れ主義が今日の混乱を招いたと云っても過言ではないだろう。尖閣諸島についてこれまでの経緯は本紙平成16年3月号で詳報しているので省略する。

 石原慎太郎東京都知事の尖閣購入構想を公表した直後、本紙は4月号「毒含流」で歓迎の意を表すると共に、反日朝日主幹らに反論した。尖閣諸島購入資金についても「公金を遣う必要はない、一坪地主を募れば即座に10億や15億の金は集まる」と断じたが、石原構想を知った多くの国民が寄付を始めた。9月下旬には善意の寄付金は15億弱に達した。この事態に慌てた野田首相は「都が購入したら何を仕出かすか分らない、中国様を刺激したら大変」とばかりに尖閣国有化を公表した。水面下で進めた買収話は足元を見られたのか20億円につり上がっていた。相手は借金まみれの栗原国起、最初は「民主党には売らない」と公言したが、いつの間にか政府と20億5千万で売却に同意、国は9月11日所有権移転登記を終えた。国有化は中国への心配りであった。「尖閣に日本人の手は触れさせませんよ」のシグナルであったが、中国政府は素直に受け取らなかった。中国全土を中国共産党が所有する中国に於いて「国有化」の意味が日本とは異なるのである。中国政府に煽られた無知な国民はデモを行い、反日の旗を掲げながら日本の企業や商店を襲って略奪を繰り返した。文明国家などとても云えた行動ではない。これが中国人の民度であり、本性であるのだ。自分を雇ってくれている会社を襲撃するなど日本では考えられない行為である。



自民党小泉政権も責任あり
平成14年に所有者と賃借契約
 野田首相が尖閣諸島国有化を表明したのが7月7日、いわき市での記者会見の場であった。翌日の各紙は一斉に首相発言を報道したが地権者は「国には売りません」と石原都知事に伝えた(同日付産経新聞)。この地権者なる栗原家がとんだ食わせ者であった。所有権者は長男国起だが、メディアに出ずっ張りの男は三男弘行、この男の出鱈目人生は週刊文春9月20日号に詳報しているので参照するとよい。

 戦後日本政府が放置していた尖閣諸島を「外国から島を守れ」と立ち上がったのが政治結社日本青年社である。灯台を建て神社を創建して日本領土を主張し続けた。灯台の保守点検の為毎年尖閣の魚釣島を訪れた。この行動に中国政府がいちゃもんを付けだした。恐れた政府(小泉純一郎首相)は平成14年4月、栗原国起と賃借契約を結んだ。当初2、256万円であったが平成18年には2、450万円に値上げされた。政府が足元を見られたのだろう。時価評価は約3億円だが、うろたえた野田政権は20億5千万円もの国民の税金を注ぎ込む愚を冒したのである。小泉政権以降、「日本人を上陸させない為」に国は賃借料を払い、遂には買い上げたのである。

 これに怒った中国政府の対応は連日トップニュースで報じられる通り、あらゆる手段を講じて国有化を非難すると共に「自国の領土」を主張している。石油など海底資源の存在が分かった昭和46年以降中国領有を公然と唱えだした。日本政府が明治28年「無主地先占」の交際法上でも合法と主張したのに対し中国は「明代からの領土である古書がある」と反論した。が、この主張は長崎純心大准教授石井望氏によって論破された。

 石井准教授の調査により「明から1561年に琉球へ派遣された使節、郭汝霖が皇帝に提出した上奉文に、尖閣諸島の大正島が「琉球」と明記されていたことが判明、大きく崩れた(産経新聞平成24年8月13日)。
 日本政府が行うべきは、如何なる恫喝、脅し、嫌がらせがあっても一歩半歩たりとも譲ってはならないという事だ。これが最後の砦と心得て闘わなければ何れ尖閣は中国に支配されてしまうであろうと懸念する。



国益捨てても経済優先
訪中の米倉会長発言
 寸土と雖も国土を他国に取られた国の国威は低下する。ましてや尖閣諸島は国際法に照らしても「日本固有の領土」である。その領土を中国外相は国連総会の場で「日本は盗っ人だ」と非難した(殆どの国は欠席していたが)。日中国交正常化40年の節目の行事も、中国が一方的に中止した。代りに野田毅・河野洋平ら親中派議員連中と経済界の重鎮が訪中したが「会ってくれた中国要人は任期間近の№4」であった。9月27日、訪中団は現地で記者会見したが、その中で経団連米倉弘昌会長の言には唖然とさせられた。米倉会長は「中国がこれ程問題視している事で、日本側が問題ないと云うのは理解し難い。民間の交渉なら通らない。あまり抑えてもらいたくない」と放言した。これまで経団連会長は日本を代表する企業のトップが就任したが、米倉は資本金も小さい住友化学の出である。日本人としての誇りなど持ち合わせていないのであろう。こういう男が経済界のトップに居る事をわれわれは恥としなければならない。
*
  * *