熊本県民新聞 WEB版
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発行者:福島 宏

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野球部後援会解散
暴力事件・使途不明金多く
 E監督が鎮西学園鎮西高等学校に採用された経緯は前号でも略々記したが、鎮西野球部保護者ら関係者に可成り誤解されて伝わっているので、当事者から直接聞いた状況を改めて記した。本紙前号2面で「当人(E)の採用については、同校OBの有力県議が仲介したと云われる」と書いた。この記事に間違いはないが、改めて詳細を記す。

 有力県議とは議長経験者の村上寅美県議を指していた。発行後、村上県議から「詳しい説明をする」と連絡を受けて会見した。以下は村上県議の話の要約である。「何時だったかはっきり覚えていないが(筆者注・平成12年頃)親しくしている鎮西野球部OBで、田崎市場に居るK君から話があると云われて会った。その時K君はEを同行して紹介したので、私は初めてEに会った。K君は『鎮西のS監督が辞めるので後任を探していると聞いている。是非このEを推薦してくれないか』と云うので、その場で上田校長に電話をかけて『Eに会ってくれないか、採否は問わない』と云うと上田校長がOKしたので後はK君に任せた。この時上田校長には2、3の候補が上って来ていると聞いていたが、数日後K君から『E君が内定しそうだ』と連絡があったのでよかったなと思った」と語る。

 その後Eは採用され、野球部監督に就任したが、K君を通して「ネットがボロで替えたい。他にも費用が必要だと云って来たので、わしは野球に余り興味はなかったが、困っとるなら助けなんたいと思って㈱ヨネザワの米沢社長(鎮西出身)と話し合って支援する事を決めた。私は知っている企業に声を掛け20社前後から月1万円の会費拠出を取付け、野球部後援会を結成して必要経費を支援した。私は私学振興会の会長を長年しているので後援会長には就かず、顧問格で居た。会計など一切は米沢社長に任せていたので、金銭の動きは全く分からない」と話した。この間、Eは米沢社長の所に金銭の無心によく訪れていた様だと他の関係者は話す。その後Eが暴力事件を起こしたり後援会費の決算報告もないなど乱脈な金の使い方に嫌気した後援会の会員達が「Eは駄目だ」と愛想を尽かし後援会は解散となったのである。この間、後援会がEに渡した金は数百万円と云われる。


礼儀知らずのE監督
鎮西採用斡旋の恩人無視
 前述村上県議にEを紹介したK氏は野球大好き人間で、西山中学校から鎮西高校に進学している。中学時代はチームが全国優勝した経歴を持ち鎮西でも活躍した。それだけに母校への思い入れが人一倍あった。その為、単に野球部の後輩というだけでEを詳しく知らないまま、村上県議の力を借りたようである。口利きをして採用となったEだが、鎮西高校就職以降一度も村上県議を訪ねていない。「別に礼を貰おうとは思わないが、就職以来私はEから暑中見舞一枚、年賀状一枚も貰っていない。こんな礼儀知らずを私は見た事がない」と村上県議は怒りを隠さない。普通の頭の持主であれば「誰が何をしてくれた、そのお陰で自分は助けられた」位の自覚を持つがEは全くその気配が感じられない。

 驚かされたのは村上県議に対する忘恩だけではない。Eを村上県議に紹介したK氏は、野球好きもあって折を見ては鎮西グラウンドに出向き、後輩らが練習に励む姿を見て楽しんでいた。所が昨年の某日、いつもの様にグラウンドで見学しているとEの父が来て「もうあんたはここには来ないでくれ」と宣言したのである。Eの父は野球部員の一部を下宿させているに過ぎない人物だ。その男が息子の恩人とも云えるこの発言である。一体何の権限からの発言かと思うが、これにはEの特異な性格が作用していると見る。

 Eは鎮西出身で、その伝手でK氏を頼り、先輩の村上県議の紹介で鎮西高校に就職出来たのは否めない。その母校の同窓会に一度も出ていないのである。以前、鎮西野球部出身の橘君がソフトバンクの育成会に入団が決定した壮行会をEが主催したが、鎮西関係者は村上県議、米沢社長を除いて鎮西とは無関係の人達であったという。Eが何故母校の先輩後輩を避けるのか、原因は全く分からないがEの"唯我独尊"にあるのではないかと語る関係者も居る。

 Eの独断専行は野球部保護者会の役員構成にも見られる。自分に阿る部員の保護者を重用するのである。保護者会会長も自分の意に添わない言動をする会長の首を挿げ替えるのである。お陰で現在の役員はEに従順な人で占められている。


甲子園県予選
エースをはずす
 今夏の全国高校野球県大会に鎮西は何故か二番手と云っていい投手をエースに登用した。この投手は2年生のレギュラーN君に暴力を振るった問題球児である。投手にはエース級のB君、追加でメンバーに加えられたI君らが居るにも拘わらずMを登用したのは何故か。現役の保護者は「Eは自分の気に入らない子はどんどん外す。勝つ為のメンバー構成ではなく、好みで選別している、と他の保護者と話し合っています」と語る。NHK旗を制した"実績"を考慮され第4シードとなっているが「Eの選手選定で勝ち上がるのは無理、NHK旗の時は他校がエース級を出さなかったから勝てた。甲子園は他校の意気込みが違う」と話す。保護者会の役員の子がレギュラーに入り易いとは別の保護者の話。



E監督が乗る高級乗用車BMW。高校の事務員でこんな高級車が買えるのか?


次々とスポーツ部門などで問題児を輩出する鎮西高校



 鎮西学園鎮西高等学校は現在理事長校長を務める上田祐規氏で四代目を世襲している。三代目貞祐氏が基盤を確立、一頃は球種学院か鎮西かと私立二校、それもクリスチャン系と仏教系がトップを競う時代もあったが、進学率や就職率で九学に抜かれるに至った。祐規氏の学校運営の危うさは以前から同校OBの懸念材料であったが、「聴く耳持たず」で他人の忠言に耳を籍そうとしない固なさに愛想を尽かした。頼りの副校長を務める子息は精神面に不安を抱えており、果たして後継者として職責を果たせるのか不安視する向きも多い。同学園の理事構成も、校長自身の出身高校である熊高出身者が殆どを占めている。鎮西出身者が一名も居ない理事会も異常ではないか。

 メディアを握る為か、その方面の実力者が理事を務めているが、「理事長に進言出来る理事は誰も居ない」と云われ、ワンマン経営が続いている。人嫌いというか年齢の所為か分からないが友人知人の類は居ないと云われ「校長に会えるのは特定の人達に限られている」と関係者。従って校長に何か伝えようとする場合T事務局長を通す以外に途はない。それ故か、定年をとっくに過ぎているTだが、他の職員は65歳定年を厳格に適用して辞めさせているが、自身は平然と居座っているのである。給料などTやM教頭らは毎年上げているが、一般教職員は本年で五年間昇給は行われていない。この様な学校環境に批判的で優秀な教員程辞めて行っており、代わりに教育に未熟な講師ばかりが増加している。これで正常な学校教育が保てるのか否かは自明であろう。



野球部員の半日を追う
体育教員グラウンド滞在1時間
 前号でも、一寸触れたが、鎮西学園高等学校(以降鎮西高校と称す)の体育授業を詳報する。体育教員資格は通常保健体育と呼ばれる。保健は言葉通り保健について一学科として単位の対象になる。体育は練習中心の実習であるが、保健体育は一体と認識されており、当然座学が加わらなければならない。しかし、鎮西野球部員については、この座学が殆ど行われていない。部員の保護者だけではなく、同校教員もこの事実を認めている。加えて実習(グラウンドで野球練習)は、教員資格を持たないE監督が午後3時5分までの授業時間帯に部員を指導している訳で、資格のない者が行った授業は授業として認められないのが常識である。従って1年6単位、2、3年生8単位は違法に与えられていると云っても過言ではない。

 本紙はこの事実を裏付ける為6月の某日、益城町平田の鎮西学園グラウンドを訪れた。

 E監督は正午前後に愛車のBMW(特注車らしい)に乗って来場、出入口を遮断しているワイヤーを外して駐車場に行く。この日はグラウンド内を軽くジョギングして部員の到着を待つ。午後1時25分頃部員を乗せたスクールバスが到着、正規部員らしい20数名と体育服姿の3人が下車した。部員らはE監督を囲んで集まり指示を受けている様である。左の写真にあるように体育服の3人は一般部員とは別にグラウンド脇に行って小走りをしたり、芝に座り込んだりして時間を持て余している感じである。送迎バスはすぐ引き返し、午後2時30分頃第2陣が到着した。

 10数名の部員と保体教員のK女史が下車した。その少し前、写真にあるように3人組の生徒が現場を離れバスの発着場に向かい、下車したK教員を出迎えた。K教員と共に元の場所に戻った3人は、K教員の指示を受けているらしく、その辺りを走ったり、バットの素振りなどしている。3人の生徒の頭を見てほしい。3人共頭髪を伸ばしているのが分かる。正規の野球部員は丸刈り頭である。3人組は3年生のY、O、Fである。

 ある教員は「3人は何か校則に違反したのではないか。あれは罰を与えている授業だ」と写真について語った。


うちの子もこれをやられた
 左の写真(別の写真も)を保護者らに見て貰った所、即座に「3年生のY、O、Fだ」と判別してくれた。あるOBの保護者は「うちの子もこれをやられました。特に悪事をした訳ではありませんが、E監督に嫌われたり、野球部を追い出す時によく使う手です」と語った。鎮西は闇雲に中学生に声を掛けて特待生などで入れる。その為、使い物にならない生徒が出てくる訳だが、勧誘して入れているので『退部だ』とは云えないのである。そこで部員名簿から外し、嫌がらせとして一般部員と別にして"特訓"するのである。特訓とは土運びや、どうでもいい草むしりに加えて放置同様の扱いをすると云う。

 この日午後1時30分頃2番手のバスで来たK教員は、数分間立って生徒らに何か指示していたが、後はご覧の通り芝の上に座り込んで日傘を差しての"授業"を行ったのである。3人は、K教員の周辺を走り回ったりしていたが、規律性は全くなく「これが体育授業と云えるのか」と唖然とした筆者であった。そして、午後2時25分頃に教員は立ち上がり3人を引き連れてスクールバス発着場に行ってバスに乗り込んだ。K教員は後部座席に座り、生徒3人は中程に座ってバスは発進、鎮西高校に向かって走り去った。午後2時31分であった。

 この様に、体育教員の免許を持つ教員の在グラウンド時間は約1時間、それも3人組専属の"贅沢"な授業を行っただけで、他の野球部員と一言たりとも言葉は交わさなかった。即ち、鎮西野球部員は単位不足で進級も卒業も出来ない状態下に置かれているのである。管理監督を行う立場の県私学課は知ってか知らずか、何ら指導した形跡はない。尤も私学課の小役人は、以前から私立高校側とはずぶずぶに癒着しており、外部から指摘されると"指導"を行うのが精一杯である(以前熊本中央女子高校甲斐栄治校長糾弾で取材に行った事があるが、即刻甲斐校長にご注進に及んでいた)。所で鎮西高校の体育コースは野球部だけである(次年度から新たに設けられる部がある様だが)。その野球部たるや、正に"野球浸け"と云っていい。「他の学科は殆どしなくても単位は取れる」(OB保護者談)ので、野球部員の中には初歩の英単語はもとより「ABCも分かっていない人が居る。基本の読み書きや、掛け算、割り算も出来ない子が結構居ます」と語る保護者も複数居た。その為、大学に進学(野球部で)出来れば就職先も見つかるかも知れないが、「鎮西を卒業しても就職に苦労している子は多い」と話す。

 野球監督Eについての評判は最低で「過去暴力事件で謹慎中に部員の指導を続けた。彼が監督に就任してからほぼ毎年部員が事件を起こしているが、当人に全く反省の気配はなく、問題が起きれば責任を生徒に転嫁して恬とし恥じる事はない」と悪評ばかりが聞こえる。昨夏も夏休み中の練習中数人の部員が熱中症で倒れ4回救急車が出動したが、学校側は公表しなかった。E監督がここまで勝手な振舞いが出来るのも「上田副校長に取り入って気に入られているから」と云われる。今夏の県大会のメンバーの組み方も出鱈目で「負けて当然」の声が多かった。
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