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熊本市東区八反田1丁目14-8

発行者:福島 宏

電話:096-234-8890
FAX:096-234-9883


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大学院保健学教育部院生数名
実習不足を隠し修士号与ゆ
パワハラ教授の支離滅裂
 前号に続いて熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻に在学、修士号及び博士号の資格修得を目指す院生への悪質な“いじめ”について記す。

 その前に、前号の誤りを訂正。大学院の開設について「同大学院は平成10年4月修士課程、同12年に博士課程が設置された」の記事中の開設年10年を20年に、同12年を22年に改めさせて頂きます。西暦を年号に換える際混乱しました(まだらボケが始まった)。前号は取材途中の報道であったので本号はその続報となる。

 前号発行後大手紙が1頁を使って「第5回熊本県医療人育成総合会議」の概要が報告されていた。内容は医療技術系大学と医療学校院長ら5氏の講演と、参加者の質疑応答を纏めたものだが、欄外に「広告」とあったので本年度医療系大学、リハビリ学院等に進学を希望している学生向けのPRであったと思われる。この会議にコーディネーターとして登場していたのがU教授であった。U氏の肩書は生命科学研究部教授である。U教授の発言が2カ所あった。彼女の人柄を推認出来る発言を記す。「全体的に学生の学力が低下しているので、教育側は緩やかなステップアップで学習プログラムを作っています。しかし、それでも乗り越えられないという実態があります。医療の現場は厳しくなる一方でこのような育て方になり、非常に育てにくくなっていますね」と。

 自分で学生を育てようとはせず、逆に有能と目されている学生でも自分の意に添わない者は退学に追い込んでいるのである。その上、教育者としてやってはならない実習時間未達の学生をパスさせる違法行為を行っている。その中の一人は熊本大学病院に「専門看護師」として勤務、副師長の立場にある。この副師長の上司であるT師長もU教授のお気に入りで、U教授の指示で大学の看護教育担当として教える立場にある。が、理由ははっきりしないが、12月25日夜U教授に「退任したい」と申し入れたが、U教授は「留まるように」と口説いていたのを聞かれている。T師長の周辺では「勤務と教育で自分の時間が全くとれないと悩んでいた様です」と語られている。自分のお気に入りの学生には論文に手を加えてやる反面、嫌った学生は完全に無視、論文のテーマすら与えないので学生は方向が定まらない。それでも自分なりに研究テーマを定めてレポートを提出しても「こんなの駄目よ、他にもあるでしょ」で終りである。

 U教授はかつて精神科のK病院にオブザーバーの形で指導に当たっていたが、余りにも自己中で尊大な態度が嫌われて切られた。この時同病院の看護師が大学院博士課程に学んでいたが、U教授に逆恨みされたのか博士号の取得はならなかったという。これを平然と行うのがU教授である。



熊大 セクハラ委員会作用せず
システム不備・院生の訴え届かない?
 前号でも触れたが、鹿児島出身で、関東方面の病院で看護師として勤めていたM君の件である。

 M君は平成25年4月に前期課程(修士号)に入学した。その直後からU教授に「働きながらでは思う様に勉強が出来ないので、勤務を辞めて学業に専念してはどうか」と水を向けられたが「経済的理由からそれは出来ない」と云った途端、U教授の無視が始まった。悩んだ末同年夏、M君は「熊大ハラスメント委員会」に窮状を訴えたという。しかし、同委員会が動いた形跡はなく「その後も続くU教授の“いじめ”に耐えきれず退学して郷里の鹿児島に戻った」と複数の学生から証言を得た。

 その件について熊大に聞いた。電話でアポをとって訪ねるつもりで「ハラスメント委員会に繋いでくれ」と云ったら2回まわされて事務担当者に行きついた。女子事務員は「ハラスメント委員会には同和人権委員会とセクハラ委員会がある。パワハラはセクハラ委員会に属するが、特に担当委員は常在しない」と云うので「委員長は」と問うと「今は誰方が委員長か分かりません」と宣う。「平成25年夏頃Mという大学院生から申し立てがあった筈だが」と聞くと「一寸待って下さい」と云って数分後「現時点でその様な訴えの記録はありません。委員長まで上らず委員の所で止っていたのかもしれません」という答えであった。「その年の3月にセクハラ報道があったですよね」と聞くと「はいありました」と公になった分は認めたが、結局M君については何の回答も得られなかった。但し、別の大学関係者は「内容は分かりませんがU教授は大学側から処分を受けています」と明言した。別の情報では「U教授が男性教授を中傷したとして提訴されている」とも聞いた。U教授の無謀振りについてあと2例挙げる。

 二人とも大分出身で一人は修士、一人は博士号の取得を目指していた。K氏は妻子があり、家族ぐるみで来熊、夫婦とも病院勤務をしながら博士号取得を目指した。途中にU教授から「勤務先を辞めて学業に専念しなさい」と云われたK氏はその言に従って職を辞した。妻の収入があったからこそ出来た事である。そして無事博士号を取得、就職先も大分大学の講師と内定した。所がU教授は大分大学に電話で「Kを採用しないように」と何度も電話をかけ就職を邪魔しようとした。大分大学側はU教授を無視してK氏を採用した。あと一人のI氏は修士課程に学んだが「退職して学業に」を受け入れなかった為U教授の怒りを買い、中途退学を余儀なくされて帰郷したのである。
 こんなU教授について、先輩教授の一人は、「あれは発達障害ですよ。学問的には豊かな才能を持っているが、教育者としては人格欠落者ですね。反論は絶対受容れません」と語る。






 関西の大学病院の暗部を描いた山崎豊子の小説「白い巨塔」が発表されておおよそ半世紀、学部によっては透明化が進んでいるが、未だ旧態依然の学部が存在するのは「大学」という限られた空間で生きる者の宿痾であろうか。特に医学部に於ては半世紀を経て尚道遠しの感が深い。同じ医学部内に在るが、医学部は医師の育成。保健学教育部はかつての看護婦、助産婦、放射線技師、臨床検査技師を養成する為の機関であった。医療の高度化に合わせ3年制の短期大学から4年制の大学に改められた。

  又、これらの学科を統括した「大学院生命科学研究部」が設立され、より高度な医療に対応出来る専門職の育成が図られるようになった。U教授は大学院生命科学研究部教授であるが、専門分野は精神看護学である。この分野の日本看護師協議会会長の肩書きも有しているという(未確認)。U教授の異常振りを他の教授も、大学側も「よく知っている」と云われる。が、誰れもが「触らぬ神に祟りなし」でU教授と距離を置いているのが実情の様である。教授として「自分の教室を選んでくれた」学生は大切に育てるのが常識であるが、U教授については「自分の云い分を聞き入れる素直な学生」「PTアシスタントを引き受ける学生」を優遇し、便宜を図る。

 特に臨床経験(病院勤務)者を冷遇するが、その原因は「臨床経験者は病院の裏表を知っているので働きながら学ぶのを嫌うのではないか」と見る元教授も居た。カリキュラムも「自分の都合だけで組むのでとてもついていけない」と嘆く院生も多い。熊大の無責任態勢はいつまで続くのか。



 九電グループ、(株)キューデン・グッドライフが運営する「グランガーデン熊本」の運営について入居者から不満の声が寄せられた。これまでも数回に亘り同施設の不明朗な経営体質を報道してきたが、事態は一向に改善されず悪化の一途を辿っている。今回は入居者が一番楽しみにしている食事の粗末振りを中心に述べる。待遇の悪さが口伝てに拡がり、テレビ、新聞等で大々的に募集広告を打っているが、一割前後の空室は埋まりそうにはない。

 丁度10年前、熊本市内に初の超高級介護付き有料老人ホーム「グランガーデン熊本」が開設した。入居資格は60歳以上健常者で、平成15年後半から入居者の募集を始めた。
平成16年12月、開所と同時に22室29名が入居した。翌年7月までに70室(総室数141室)が埋まった。その後も入居者は順調に伸び、3年後にはほぼ満室となったと聞く。最低価格1LDKで2,266万円〜2LDK7,000万円まであるが、最多価格帯は3,000万円台である。この様な高級施設に入居するのはそれなりの資産家であろう。口も奢っていると思われる。で、早速出た苦情が「味噌汁の具が掻き回しても箸にかからない位少ない」「漬物が少なくすぐ無くなる」「遅れて行ったら料理が少ない」であった。因に入居者の食事代は月額63,000円(当時の税込み)である。当初からの入居者の一人は「最初の1年か2年までは味付けもまずまずでしたが年が経つ毎に味付け、食材が悪くなった様な気がします」と話す。

富裕層が多い入居者は、当初気分転換で外部のレストラン、隣のホテルキャッスルなどに行っていた様だが、1、2年した頃からは「食事が不味い」為外食中心になったという。又、調理についてもグランガーデン熊本の調理人が行っていたと思っていた入居者が多かった様だ。それが外部業者に「丸投げ」状態と分かって益々食事について不審感を持つようになったのは当然であろう。

委託先は学校法人中村学園事業部(本社福岡)で、同事業部は九州内を中心に有料老人ホームや企業の社員食堂の調理を請け負っている。同事業部の職員の待遇がよくないのか、ハローワークや新聞紙上でよく求人しているのを目にする。食材も中国産を多用しており(平成25年6月の運営懇談会議事録に公表)食の安全面からも不安を覚える。能書はこれ位にして具体的事案を述べる。書けば多々あるが、最近の入居者の声をお届けする。

「平成26年9月定例運営懇談会議事録」から。「某日、夕食の『ビーフシチュー』を喫食し、驚きました。その肉の硬さに歯がたたないのです。まして食膳にはナイフ・フォークはなく、只スプーンがあるのみ。余りのことに私は呆れて、顔見知りのレストランスタッフに実情を述べ、本件を必ず上司に報告するするように求めました」。中略。「『この種の施設・ホーム等の入居者の愉しみは三度の食事にあり』この鉄則は永久に不変です」以下略。これに対するグランガーデン側の回答(要旨のみ)「大変ご迷惑をおかけしました。中村学園(本部含む)へも、ご意見はしっかり伝えさせていただきました。料理長をはじめ、全員の胸に響いたようです」。そして翌10月の定例懇談会の議事録で「レストランからのお詫びについて」と題し「日頃よりレストランをご利用いただきありがとうございます。今回、ご入居者にご迷惑をおかけしました点について、あらためてお詫び申し上げます。〔内容〕○10月19日夕食『チキンカツ』時辛子が固まった状態だった。チキンカツもアツアツどころか冷たく、ご飯もべちゃっとしていた。○10月20日昼食『鶏そぼろ丼』時、そぼろが焦げ臭かった、そぼろの量が少なかった、ご飯がべちゃっとしていた。○10月22日昼食『とろっとオムライス』で途中からオムライスにとろっと感が全くなくなり、別物の様に感じた」。以上の入居者のクレームについて、前月と同じ様な弁明が続くが省略。

確かにグランガーデン熊本の外観と館内は立派である。廊下などの移動空間も広々としている。が、肝腎の入居者へのサービス精神が大きく欠けているのは明らか。九電の大企業体質がそのまま表れているようだ。



頼みの介護フロア
人手不足で機能せず
 3つの安心のBについて。「看取りまで安心して暮らす住まい」については、これまでも小紙が重点的に採り上げて来た。

 グランガーデン熊本は、「一般居室に入居して高齢化が進んで介護が必要になったら3階の介護フロアに住み替えて頂き、手厚い看護が受けられます」が謳い文句を開所時から掲げている。これが全くの空手形である事は、小紙平成24年12月号「大間違いだった!」「終のすみか」の見出しで報道した。

 開設後数年間、介護フロアに入居する住人は一桁台であったが、入居者の高齢化が進むに従って一般居室からの住み替えが進んだ。平成23年6月期の報告では、一般居室からの住み替え11室、外部から直接入居7室で空室22室(一時介護室2室含む)であった。一年後の平成24年6月期は住み替え14室、直接入居8室で、空室18室(同)であった。最新の平成26年12月期は、住み替え25室、直接入室3室、空室12室(同)となっている。住み替え、直接とも継続のトータルである所から住み替えは24年6月に比べ10室増加(その分一般居室減)したが、直接は8室から3室に減じている。介護室は高齢者が多い為、逝去による退室も考えられるが、入居者の複数の人が「看護師、介護士の不足でサービスがなっていないと云って出てった」と話す。

 平成24年の「介護サービスグループ」は、看護師9名、介護士17名(2名パートアルバイト)であった。26年7月期は看護師9名(内派遣3名)、介護士18名(内パート2、嘱託1)と看護師は1/3が派遣に代わっている。

 その看護師らベテランが7月31日付で集団退職し、3階フロアは大混乱を来たして現在も尾を引いているのである。この状況は介護保険法に抵触している恐れがあり熊本市の担当課も注視している。



新聞広告信じていい?
3つの安心・2つの満足
 左に掲げた入居者募集広告は平成26年10月25日付朝日新聞30面である。4施設とも九電系列の有料老人ホームで、「グランガーデン福岡浄水」が住宅型有料老人ホームで、他の3カ所は介護付き有料老人ホームである。4施設とも「開設以来満室になった事はない」と云われ、グランガーデン熊本の支配人(九電出向者)も「熊本、鹿児島、福岡は赤字経営だ」と懇談会の席で述べた事もある。それでも熊本に限って云えば、平成23年懇談会総会で公表された一般居室の空室2室が最多の入居率ではないかと見られる。その後徐々に入居率が低下、最悪時には19室と全室143室の1割以上を占めた月もあった。

 小紙がグランガーデン熊本について初報道したのが平成24年11月号から。この頃の入居率(人員換算)は90%を前後していた。しかし、その後退出者が続出、常時空室は10数室を維持する状態であった。空室が埋まらない原因の一つにグランガーデン熊本と同様の高級有料老人ホームが開設した事が挙げられる。筆者が入居者から入手した情報では「今年だけでも数組(人)が新しい施設に移った」という。中でも一番短期に移動した人物は「介護サービス部長に『預金通帳を預からせて下さい』と云われ、この施設に不信感が生じたのですぐ出ました」と周囲に漏らしている。

 左の広告にある3つの安心@24時間365日安心のサポート体制A安心の医療支援体制B看取りまで安心して暮らす住まい。を上げているが、@はセンサーによる動向察知システムだけ(現に孤独死の例がある)。Aは同施設内に在るヤブ医者の医院の事か。5時以降は閉院する医院で、薬だけは豊富に出すお医者さん。Bは3Fの介護フロア(40室)の事を云っているのだろうが、40室中3〜4割が常時空室である。開設10年を迎えた同ホームであるが、入居時70歳代は80歳代に、80歳代は90歳代になっている。外部からの入居者も居るが、この人達の退去が早いと云われる。前述の医院の外、近い所で熊本内科医院、済生会熊本病院、国立病院機構、熊本日赤病院が指定先病院であるだけで、診て貰うには外来として行かなければならない。これが謂う所の「安心の医療体制」の実態である。Bは別記した。





 グランガーデン熊本のハード面「建物と施設」は確かに立派であり、廊下なども広々としているが、別の見方をすれば“無用の長物”と云えなくもない。しかし肝腎要のソフト(人材、食事、職員数など)の部分に致命的な欠陥を抱えた施設と云える。勝手な想像だが、母体が九州最大の企業「九州電力」であり、大企業的発想で動いているからではないかと思われる。入居者の声を懇談会議事録から抜粋する。

 「朝食の温野菜の中にビニール片が混入していたり、ご飯の中に髪の毛が入っていたり、あってはならない事が起きている」。「開館以来10年を迎える。平成26年度の総会資料では155名中90歳代15名、80歳代81名で合計96名、超高齢の館、グランガーデン熊本です。誰が何時、どうなるかわからない年齢層です。サービスの原点である『一般居室担当制』の実施が最優先されるべき課題であるにもかかわらず、初期の目的が出来ない。言い訳として病院への付添、送迎、体調の悪い人を優先し、掃除、洗濯、車椅子移動等がある。本末転倒した考え方ではありませんか」。「生活サービス部の現状と責任体制を問う。職員間との意思の疎通の欠如、相互不信などが仕事への意欲を損なう。職員の業務内容の指示、配置など、不適切な対応。管理者としての責任の所在が明確ではなく、一貫性がない。以下略」「この一年足らずで、生活サービスGrの顔ぶれが代わり、生え抜きの人が殆ど姿を消した。普通この様な状態を一般社会では異常と云う。以下略」「出向者の方は、それなりの地位、役職を貰いそれなりの給与も保証されている。それであれば、地位、役職、給与に見合った、いや、それ以上の仕事をして貰わねばならない。以下略」、これらの意見に対し会社側が弁解している訳だが、この状態が平成22年頃から現在まで続いているのである。



入居者募集の前にやること
内部改革が必要では
 「グランガーデン熊本」では本面に掲載の一頁全面広告に続いて平成26年11月15日付朝日新聞の企画広告面に3段広告を掲載、他にTKUにも3カ月を限ってスポット広告を放映している。勿論同社の出入口にも大きな募集看板を出している。又、入居者に対しても「入居を紹介した方には謝礼金を差し上げます」と転出者の補充に懸命である。募集広告はどの企業でも行っている事。これを批判する気持は毛頭ない。膨らませた広告内容もどの社でも行っていることで当然と云えば当然。筆者が云いたいのは「新規の入居者を募る前に遣ることがあるのではないか」である。グランガーデン熊本の運営が、現状を変えない限り全室が埋まることはないという当り前を云いたいのである。誘い文句に釣られて入居しても、実態が分かれば迷わず転居するだろう。同社自体が認めている様に多大な広告代(25年度約500万円)を遣っても「費用対効果に疑問がある」と結論を出さざるを得ないのである。

 経営側((株)キューデン・グッドライフ茂田省吾社長)も「安定して黒字を出している他の有料老人ホームの場合、例外なく介護の入居率が90%以上あります。グランガーデン熊本の場合は開設時からの介護の平均入居率が仮に80%であったとすれば、現在の累積損失は5億円程度圧縮できていたはずです。以下略」。これを“無い物ねだり”という。

 これまで50〜60%しか入居者が居なかった原因を分析、問題解消に務めるのがトップの為すべき責任ではないか。入居者の中には一般居室、介護室を問わず現状に満足している人が居るのも窺い知る事が出来る。しかし、一般的思考力、判断力を有している多くの入居者に現状を肯定する人は居ない。熊本に於いては、超がつく程の高級有料老人ホームである。入居者が“満足”して当然で、現在の同ホームは異常と云っていいだろう。過去の小紙の報道を読んで入居に“二の足を踏んだ”との噂も聞いた。小紙はグランガーデン熊本の運営を妨害する気は毛頭ない。全て現在入居している人達の声、気持を代弁していると自負している。



週刊現代の
出鱈目報道
 週刊現代の暴走が止らない。編集者らが気付いているかどうかは不明だが、「15年前の週刊現代に戻った」と感じている。

 週刊誌で云えば筆者は「週刊文春」「週刊新潮」を定期的に購読している。大手紙を始め電波メディアが表層的にしか伝えない政治、経済、社会問題を深く伝えるのが週刊誌や月刊誌である。かつては新聞社系の週刊誌を優先して購読したが、内容に満足しなくなった。その後は前記文春、新潮に固定した。その間時折「週刊現代」の見出しに釣られて購入したが、広告の見出しに伴わない記事の薄さに怒り呆れたのである。見出しを作る為に記事が書かれているのではないかと思ったのも再々であった。極端な場合、大見出しの記事が1頁だけであったのをよく憶えている。

 十数年前、写真誌「フォーカス」が休刊した。続いて「噂の真相」も休刊した。この2誌は徹底した現場主義であった。それらの記者が週刊誌に、新聞社に流れていった。両誌とも筆者の知り合いの記者が居たので夫々の行き先を知ったのである。その中の一人が週刊現代に移った。直後から同誌の社会面が充実した。相撲界の八百長を暴いたのもその記者であった(提訴され現代側は敗れた)。記者は現代から文春に移り、現在はフリーとなり、時折ヒットを飛ばしている。

 そして今の週刊現代。同誌12月6日号。表紙中央の柱見出し「真冬の大決戦!『12・14総選挙』を読み切る。自民『50議席減で一気に倒閣へ』」と何ともおどろおどろしいもの。元々反安倍内閣の同誌だが、内容の記事は政治アナリスト伊藤惇夫氏に「常識的に考えれば、与党は議席を減らす。12年の衆院選で自民は大勝したが、09年の衆院選で大惨敗した時の得票率に比べてわずか4%しか増えていない。自民が圧勝したのは野党が乱立し『漁夫の利を得ただけ』。今回の選挙では野党の候補者調整がうまくいけば、自民党の負ける小選挙区が出て来ます」(要旨)。と語らせる。

 それが12月20日号では「自民圧勝、史上最多議席へ」として「獲得議席313議席(18増)」となる。週刊誌の発売日は日付けより1週間早く、原稿〆切りはその4日前と聞いている。従って20日号の記事が書かれたのは、投開票前2〜3日頃に書かれたと思われる。その頃は大手紙を始め殆どのメディアが「自民圧勝300議席超えか」と報じていたので現代の記事に目新しさはない。獲得議席数の予想は自民マイナス23。公明プラス4。民主マイナス2でこれは予想に近い。維新の党プラス14。次世代マイナス6。共産プラス12。生活2、社民も2で当り。こうして見てくるとはずれの多さが目立つ。小紙如きが大週刊誌を批判するなど大それた事だが、見出しのセンセーショナルさに反発して書いた。




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